食品安全情報blog過去記事

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照射は食品汚染を食い止めることができる

Irradiation Could Halt Food Contamination
July 3, 2007
http://www.acsh.org/news/newsID.1564/news_detail.asp
最近の食品の細菌汚染事故の多発により、照射を含めた動物や植物由来食品の全ての有効な消毒方法の使用が急務である。ACSHは更新版の小冊子をウェブに掲載し、食品の安全性強化のために照射の利用を薦めている。
この小冊子「照射食品」は食品照射の過程と利点を説明している。照射は食品安全を強化するだけではなく、これまで米国で販売できなかった多数の食品の販売を可能にする。
歯科医で歯のX線撮影受けても歯が放射性にならないのと同じように、照射は食品を放射性にするわけではない。照射は他の食品安全確保のための方法に取って代わるものではなく補完するものである。従って消費者は食品の適切な取り扱いや保存にはこれまで通り注意しなければならない。
食品を照射する目的は多数ある。典型的には低用量照射により、肉やシーフードやスパイスの、牛乳で使われている加熱と同様に病原微生物を殺すのに使われる。最近の研究では、照射によりホウレンソウやレタスなどの葉菜も品質に影響を与えることなく殺菌できる。
また害虫などを持ち込まないために輸入される食品はそれらを殺したり不活性化したりしなければならない。通常の加熱やガス処理とは違って、照射は食品の品質を損なうことなく害虫を殺せる。
照射食品の安全性は、缶詰や冷凍や乾燥や化学物質を使う保存方法より徹底的に研究されてきた。照射により焼いたりした場合同様微量の新しい物質ができるが、これらを人が食べた場合に有害であるという証拠はない。また照射施設で働く人や照射工場近傍住民にリスクとはならない。
50ヶ国以上が各種の照射食品を認めている。


本文
照射食品
Irradiated foods 2007
July 3, 2007
http://www.acsh.org/docLib/20070703_IrradiatedFoods2007.pdf
照射食品に関する小冊子 PDF 47ページ
何故食品を照射するのか、照射することで食品はどうなるのか、照射食品の法的規制はどうなっているかなどについて解説したもの。
第6版
FDAが承認しているのはスパイスや乾燥野菜香料の殺菌用、豚肉のせん毛虫破壊用、植物由来食品の害虫破壊と保存性向上、家禽肉・赤身肉・から付き卵・スプラウト・軟体動物魚介類の病原性微生物制御用である。現在調理済み食品への照射許可申請が提出されているがまだ認められていない。
照射にはコバルト60を使った方法の他に、電子線やX線発生装置によるものが導入されており、放射性同位体を使わなくても済む。
照射の利用により2007年4月には米国市場でインド産マンゴーが販売されるようになった。
照射食品には表示が必要である。2007年4月にFDAは照射により物理的に変化がある場合にのみ照射と表示するという提案を行っている。