食品安全情報blog過去記事

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1080

14 August 2007
http://www.nzfsa.govt.nz/consumers/food-safety-topics/chemicals-in-food/1080/index.htm
1080についてのQ & A
1080はフクロネズミ駆除用の農薬で化学名はモノフルオロ酢酸ナトリウム。フクロネズミ(ポッサム)は牛結核を広め森林や低木の茂み(ブッシュ)を破壊する。水溶性の天然植物毒素で、植物が動物からの害を減らすために進化して作るようになったものと考えられている。
1080はニュージーランドに置いては非常に有効なツールで、土壌や水に生物分解性があり残留しない。人には有害である。最近ERMAニュージーランドが1080を再評価した。詳細はERMA(環境リスク管理局)より入手できる。(マオリ語もある)
http://ermanz.govt.nz/news-events/1080/
1080はニュージーランドの病原菌を殺し森林を守るのに必要である。ニュージーランドは特有の環境条件にあり、遠く離れた人の入らない森林やブッシュに、天敵のいない、病原体をもったポッサムがいる。こうした状況は他の国では見られない。数千万匹のお腹を空かせたポッサムがニュージーランドのブッシュや野生動物に甚大な被害をもたらしている。ポッサムは葉や根を食べて植物を枯らし、植物を餌にしてきた野生の鳥の餌を奪う。フェレットやオコジョと同様、ポッサムは鳥の卵も食べ、野生の鳥の生存を脅かしている。さらにポッサムは牛結核に感染している。牛結核に感染したポッサムは最終的には死亡するが、死亡する前に日中牧場をうろつき回るという異常行動を行い、ウシやシカが感染する。

(ちなみに日本では特定毒物


ERMAのプレスリリース
ERMAは1080により厳しい管理体制を義務づける
AUTHORITY IMPOSES TIGHTER MANAGEMENT REGIME ON 1080
13 August 2007
http://ermanz.govt.nz/news-events/1080/FINAL%201080%20decision%20media%20release.pdf
EMRAはニュージーランドにおける1080の使用に際して新しい規則を義務づけると発表した。2008年1月1日より、1080を使用した場所のアクティブモニタリングを行う。さらに1080の影響やポッサム制御代替法のさらなる研究を要請する。
ニュージーランドにおける1080の使用に関して一般の意見は大きく二分している。ポッサムやウサギやラットやオコジョなどの野生動物はニュージーランドの環境や経済の大きな脅威である一方、1080は多くの人にとって許容できないリスクがあるとみなされている。