食品安全情報blog過去記事

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抗酸化物質は、ハイリスク女性の心血管系イベントや死亡に明確な利益はない

Antioxidants show no clear benefit against cardiovascular events, death in high-risk women
13-Aug-2007
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2007-08/jaaj-asn080907.php
ビタミンC、E、ベータカロテンは、個別でも組み合わせでも心疾患ハイリスク女性の心血管系イベントや死亡リスクを削減しない。Archives of Internal Medicine8月13/27日号に発表された。
酸素により引き起こされる細胞の酸化的傷害が心血管系疾患に関与するのではないかと考えられてきた。さらにフリーラジカルが血管内皮を傷つけ、血栓を作りやすくし血管機能を変化させるとされてきた。抗酸化物質はフリーラジカルを消去し、その傷害作用を抑制する可能性がある。果物や野菜をたくさん摂ることと心血管系疾患や脳卒中の率の減少が関連することが知られており、果物や野菜の抗酸化物質が関与するのではないかとされてきた。
ビタミンC、E、ベータカロテンを40才以上の女性(平均年齢60.6才)8,171人に投与した研究Women’s Antioxidant Cardiovascular Studyは1995-96年に始まった。心血管系疾患の既往症があるか3つ以上のリスク因子を持つ女性を無作為に毎日500mgのアスコルビン酸プラセボ、一日おきに600 IUのビタミンEかプラセボ、毎日50 mgのベータカロテンかプラセボに割り付け、2005年まで心臓イベントか死亡の発生についてフォローアップした。
平均9.4年の試験期間中1450人の女性が一回以上のイベントを経験した。全体としてビタミンC、E、ベータカロテン投与による影響はなかった。一方で有害事象も特に見られなかった。従って心血管系保護のために抗酸化物質が広く使われているが効果は保証できない。
Arch Intern Med. 2007;167(15):1610-1618