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ビスフェノールA評価専門委員会会合要約案

CERHR
DRAFT MEETING SUMMARY
EXPERT PANEL EVALUATION OF BISPHENOL A
http://cerhr.niehs.nih.gov/chemicals/bisphenol/draftBPA_MtgSumm080807.pdf
NTPのCERHRは2007年8月6-8日に、ビスフェノールA評価のための専門家委員会を開催した。これは12人の独立した科学者からなるこの専門家委員会の二回目の会合である。
専門家委員会の結論
妊娠女性と胎児について:
専門家委員会はビスフェノールAの子宮内暴露による神経や行動への影響についてはいくらかの懸念(some concern)を表明した。
専門家委員会はビスフェノールAの子宮内暴露による前立腺への影響については最小限の懸念(minimal concern)を表明した。
専門家委員会はビスフェノールAの子宮内暴露による思春期早発の可能性については最小限の懸念(minimal concern)を表明した。
専門家委員会はビスフェノールAの子宮内暴露による先天性異常や奇形については懸念は無視できる(negligible concern)とした。
乳幼児や子どもについて:
専門家委員会はビスフェノールAの暴露による神経や行動への影響についてはいくらかの懸念(some concern)を表明した。
専門家委員会はビスフェノールAの暴露による思春期早発の可能性については最小限の懸念(minimal concern)を表明した。
成人について:
専門家委員会は一般人のビスフェノールA暴露による生殖系への有害影響についての懸念は無視できる(negligible concern)とした。職業暴露があるなどの高濃度暴露集団については懸念レベルは最小限(minimal)に増加する。
(上述の結論はビスフェノールA専門家委員会のものであってNTPの見解を示すものではない。)
ビスフェノールAの背景情報
ビスフェノールAは主にポリカーボネートプラスチックやエポキシ樹脂の生産に使用される高生産量化学物質である。ポリカーボネートプラスチックは食品や飲料の包装用に、樹脂はラッカーとして食品用の缶や瓶のフタや給水管などの金属の被覆用に使用されている。歯科用シーラントや歯のコーティングにはビスフェノールAが含まれるポリマーがある。一般人のビスフェノールA暴露は、ビスフェノールAとの直接接触や、ビスフェノールAを含む物質と接触した食品や飲料への暴露による。CERHRはこの物質を、(1)生産量が多い、(2)広くヒトが暴露されている、(3)実験動物で生殖毒性が示されている、(4)一般の関心が高い、ことから評価対象に選んだ。
専門家委員会はビスフェノールAについての入手できる科学的データを主に三つの分野から選んで評価した:ヒト暴露、生殖毒性、発生毒性である。審議にあたって、専門家委員会はビスフェノールAへの暴露がヒトの生殖や胎児の発生に有害影響を及ぼす可能性についての科学的根拠の質・量・確からしさを検討した。専門家委員会はビスフェノールAの影響についての入手できる科学的データにいくつかのギャップを同定し、必要な研究について示唆した。
次の段階
専門家委員会の最終報告書はCERHRのウェブサイトに掲載される。また印刷物は2007年秋にはCERHRから入手できる。CERHRはこの報告書についてパブリックコメントを募集する。意見募集期間の後、CERHRはNTPの要約と専門家委員会の報告書と全てのパブリックコメントからなるビスフェノールAのモノグラフを作成する。NTPの要約には現状のビスフェノールAの暴露がヒト発生や生殖にとってリスクとなるかどうかについてのNTPの意見が含まれるであろう。CERHRはNTPの要約について独立したピアレビューの後にパブリックコメントを募集する。NTPはパブリックコメントとピアレビューの意見を考慮して最終要約を作成する。最終的にモノグラフはPDFの形でCERHRのウェブサイトに公開され、ハードコピーはCERHRやその他の適切な保健担当機関から配布される。
CERHRの背景
省略