食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

妊娠中のレバーとレバーを用いた食品の摂取について−新しい情報と新しい助言

Consumption of liver and liver-based food during pregnancy new information and new recommendations
15.08.2007
http://www.evira.fi/portal/en/food/current_issues/?id=661
フィンランド食品安全局EVIRAは生殖年齢のフィンランド人女性のレバーを用いた食品からのビタミンA、カドミウム、鉛暴露のリスクアセスメントを行った。
EVIRAと国立公衆衛生研究所と国立栄養評議会はレバー摂取に関する助言を緩和することを集団として決定した。研究の結果から、妊娠中はレバーが主原料の食品は避けるべきであることが確認されたが、レバーソーセージとレバーパテを中程度に食べることは安全であることが確認された。
レバーはビタミンAが豊富で、ビタミンAは高用量では胎児の先天性異常や流産のリスクを増加させる。さらにレバーには大量のカドミウムと鉛が含まれる可能性があり、それらは胎児に有害影響を及ぼす可能性がある。このために妊婦はレバーを食べないように助言してきた。
摂取量評価のために、国立公衆衛生研究所の食品研究Findietと、レバーを使った料理のレシピと、フィンランドの食品の組成分析の情報が使用された。リスクアセスメントの結果、通常のレバー料理で妊婦のビタミンA摂取量が安全量を超えることが確認された。過剰摂取のリスクはレバーがメインである料理の場合が主である。レバーソーセージやレバーパテを適度に食べることはビタミンAの過剰摂取にはならない。レバー料理からのカドミウムや鉛の摂取量は他の食品からの摂取に比べて極めて少ない。
新しい助言
多様な食品からなるバランスの取れた食事が妊娠中の良好な栄養状態を確保する。野菜やベリーや果物をふんだんに食べることで妊娠中のビタミンA摂取量は十分である。植物はビタミンAをカロテノイドの形で含み、大量に摂った場合でもリスクとはならない。
ビタミンAの過剰摂取を避けるために、妊娠中のレバー摂取は以下のように制限すべきである:
・ レバーを主とする食品(細切れレバーパティ、レバーステーキ、レバーシチュー、焼いたレバーキャセロール)は妊娠中は避けること。
・ レバーソーセージとレバーパテは妊娠中は週に200 gを超えないように。一度に食べる量は100gまで。
・ もし毎日レバーソーセージやレバーパテを食べるのであれば、その使用量は1日30gまで。この量はレバーソーセージ2切れ又はレバーパテ大さじ2杯に相当する。

(日本では妊娠中はレバーを食べましょうと言っているところが結構あるけど、妊娠中の鉄分補給にはレバーもヒジキも薦めない。)