食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食品と接触するボール紙や紙のフタル酸ジイソブチル

16.08.2007
http://www.bfr.bund.de/cm/216/di_isobutylphthalat_in_papieren_und_kartons_fuer_den_kontakt_mit_lebensmitteln.pdf
紙を使って包装されている食品からフタル酸ジイソブチル(DiBP)が最大5mg/kg検出されている。DiBPは発生や生殖毒性が懸念されている物質である。この物質は紙のリサイクルの際の柔軟剤として使用されていて、紙包装から食品に移行する。BfR環境保護省や紙の製造業者と協力してこの問題に関する作業グループを作成した。
包装材から食品に移行するDiBPの科学的に導出された規制値はいまのところない。長期試験データがないためである。しかしながらEFSAが類似の物質であるDi-n-フタル酸ブチル (DnBP)の健康影響を評価している。それを基にBfRはDiBPの食品への移行限度を 1 mg DiBP/kg食品と推奨する。乳幼児用食品については0.5 mg DiBP/kg食品とする。1年後に問題の食品の濃度を測定し、必要であればさらなる対応を検討する。
食品中DiBP濃度を下げるためにBfR環境省再生紙の製造業者や加工業者にDiBPの使用を自粛するよう要請する。

(食品に品質が管理しにくいリサイクル品を使うのはリスクがあるのだが・・リサイクル至上主義で結局余計な資源を使ってたりして。もちろんリスクを許容するという解決策だってあるが、そうでもなく、小さなリスクも許せないらしいし。ドイツはこの辺がバランス悪いと思う)