食品安全情報blog過去記事

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WHOは新しい殺虫剤処理蚊帳ガイダンスを発表した

WHO releases new guidance on insecticide-treated mosquito nets
16 AUGUST 2007
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2007/pr43/en/index.html
最近のケニアのデータはどのように蚊帳を配布するかについての議論を終わらせる
WHOはマラリアから人々を守るための新しい殺虫剤処理蚊帳使用ガイダンスを発表した。WHOは初めて殺虫剤処理した蚊帳は殺虫剤が長持ちするものを、無料又は高度の助成金付きで、全ての人々に使われるべきであると助言した。
WHOの新しい戦略を用いたケニアでの印象的な結果は、持続性殺虫性蚊帳の無料での大量配布が、特に貧しい人々への使用を迅速に広く行き渡らせるのに効果的であることを示している。
これまでWHOのガイドラインは殺虫剤処理蚊帳を主に5才以下の子どもや妊婦に集中的に使用するよう薦めていた。しかしながら最近の研究では標的地域の全ての人々に使用を薦めることで弱い人々がより守られることを示した。
殺虫剤処理蚊帳はマラリアを伝達する蚊を忌避させたり殺したりする殺虫剤で処理した蚊帳である。通常の殺虫剤処理蚊帳は定期的に殺虫剤を再処理しなければならないが、長期持続性殺虫剤処理蚊帳(LLINs)は蚊帳の寿命が来るまで再処理の必要がない。一つあたり約5米ドルである。
ガイドライン本文
Insecticide treated mosquito nets: a position statement
http://www.who.int/malaria/docs/itn/ITNspospaperfinal.pdf

ケニアのデータ
オープンアクセス
PLoS Medicine  August 2007 Volume 4 Issue 8  e255
http://www.plos.org/press/plme-04-08-noor.pdf


(ここで使われたLLINは住友化学のオリセットとVestergaard FrandsenのPermanet
日本の技術、がんばってる。
問題解決に役に立つのは感情的反科学主義ではなく本物の科学技術。

これまで対立していたのは、無料又は非常に安価に全ての人に配布すべきという今回採択された方法と、ソーシャルマーケティングと呼ばれる自分でお金を払った方が蚊帳の価値をより高く認識して長く使うであろうという意見である。
農薬嫌いだからLLINに反対という主張は論外。
なおガイドラインではDDTの室内散布との併用を薦めている。)