食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

トイザらスは全てのビニルよだれかけの販売を予防的に停止することを発表

トイザらスのプレスリリース
TOYS “R” US, INC. ANNOUNCES PRECAUTIONARY STOP SALE ON ALL VINYL BIBS
August 17, 2007
http://www9.toysrus.com/Investor/pr/081707.html
Hamco, Inc.社及びその他の製造業者のビニル製よだれかけの販売を予防的措置として停止する。
トイザらスは安全性に強いこだわりがあるため、任意でカリフォルニアの厳格なProposition 65基準に従っている。全てのビニルよだれかけは半年ごとに独立の検査機関でProp.65規定に従っているかどうかの検査を受けている。2007年5月まではHamco, Inc.社を含む全ての製品がこの厳格な検査に合格していた。しかしながらその後(消費者団体の指摘を受けて)再検査を決定した。
先週行われたCPSCの独自検査の結果を受けてCPSCのスタッフとの議論を行ったところ、トイザらスで販売されていたよだれかけに危険な量の鉛は含まれない。
最近トイザらスは世界的に有名な独立検査機関であるBureau Veritasに製品の再検査を依頼した。その結果2検体でトイザらスの基準値を超えるものが報告された。検査結果が一致しないためトイザらスは直ちに製品の販売を停止した。


元はといえばカリフォルニアにある環境団体Center for Environmental Health(CEH)の報告。
More Lead-Tainted Baby Bibs Found
Aug 15, 2007
http://www.cehca.org/press-releases/lead-in-baby-bibs/more-lead-tainted-baby-bibs-found/
報告書はこれ
http://www.cehca.org/documents/bibs-august_14_update.pdf
防水用のビニル部分に含まれる鉛を硝酸で溶かして検査して、塗料の基準である600 ppmを超えるから危険だと主張している。知能が低くなる、ADHDになると脅かしている(ADHDの原因が鉛だという主張は正しくない。他いろいろ典型的な誇張による怖がらせの記述あり)。
(このタイプのよだれかけ(スタイ又は食事用エプロン)は日本ではあまり人気がないような気がする。使うとしても食事する時だけだろう。赤ちゃんによだれかけは食べさせないと思う。)


CEHはトイザらスの発表を受けて、大量のリコールをさせることに成功したと喜んでいる
Legal Action Leads to Massive Vinil Bib Recall
http://www.cehca.org/press-releases/lead-in-baby-bibs/legal-action-leads-to-massive-vinyl-bib-recall/


よだれかけの鉛についてはCPSCは古くなって剥がれてしまうようなものについてのみ問題がある可能性があると発表している。CEHはこの発表が気に入らなかった様子。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20070507#p1


CEHは先にランチボックスでも同様の発表を行っていて、CPSCは、含まれる量そのものの問題ではなく、溶出する量が多い場合には問題があるという見解を発表している。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20070221#p2
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20060721#p1
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20060721#p2