食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

乾燥海藻の高ヨウ素含量による健康リスク

05.09.2007
http://www.bfr.bund.de/cm/208/gesundheitliche_risiken_durch_zu_hohen_jodgehalt_in_getrockneten_algen.pdf
乾燥海藻は高濃度のヨウ素を含む。BfRはある製品から506 mg/kgのヨウ素が検出されたのを受けて乾燥海藻のリスク評価を行った。ドイツのヨウ素上限は一日0.5mgとされており、この海藻10gで10倍も超過する。BfRヨウ素含量が20mg/kgを超える乾燥海藻製品には健康リスクがあるため市販されるべきではないと考える。
ヨウ素は必須栄養素で甲状腺ホルモンの重要な成分である。甲状腺ホルモンは成長や骨形成、代謝、脳発達に関与する。ヨウ素は主に食品から摂取されるが食品のヨウ素含量は地域により異なる。従って国により推奨摂取量は異なる。
ドイツはヨウ素欠乏国に分類される。慢性ヨウ素欠乏により、特に高齢者で甲状腺に結節ができる。もし乾燥海藻で急激なヨウ素過剰摂取があると機能亢進がおこり、代謝調節に置いて命に関わる影響がある。
乾燥海藻や海藻製品のヨウ素含量は特に高く、5-11.000mg/kg乾燥重量であるが個々の製品の含量はばらつきがある。消費者をヨウ素含量の高すぎる海藻製品から保護するため、BfREUに最大規制値の設定を薦める。製造業者などに製品中の海藻量データを要求するとともに製品にヨウ素含量と最大摂取量の表示を義務づけるべきである。