食品安全情報blog過去記事

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PETボトルについてのQ & A

10 Sept 2007
http://www.bfr.bund.de/cd/10007
ポリエチレンテレフタレート(PET)は飲料ボトルや食品包装用に使われているプラスチックの一種である。PETボトルの健康影響に関する問い合わせが多いので、ここにFAQを準備した。

Q. 時々PETボトル入りのミネラルウォーターが甘いような果物のような味がすることがある。これは何?
PETボトルの製造や貯蔵の歳にアセトアルデヒドが生じる。アセトアルデヒドが飲料に入った場合微量なのでミネラルウォーターのみで感知できる。コーラやレモネードなどの場合アセトアルデヒドが感知できることはない。
Q. アセトアルデヒドは健康に有害か?
EU規制ではプラスチックからのアセトアルデヒド溶出規制値は食品1kgあたり6mgである。この値を超えない限り健康影響はない。しかしながら人間はこの規制値の100分の1以下でも感知できる。従ってアセトアルデヒド臭がしたとしてもほとんどの場合規制値を遙かに下回り、健康リスクはない。
Q. PETボトルのミネラルウォーターを飲む場合には消費者はアセトアルデヒド臭を許容しなければならないのか?
微量のアセトアルデヒドは健康リスクはないが、飲料の味や臭いの変化は望ましいものではなく規制でも許容していない。従って製造業者はアセトアルデヒドの溶出を防がなければならない。例えばPETにアセトアルデヒドと結合するような物質を使ったり内側をガラス様素材でコートするなどの方法がある。
Q. PETボトルに可塑剤は含まれるか?
消費者は「ポリエチレンテレフタレート」という名前からしばしばフタル酸を想像する。しかしPETボトルの製造にフタル酸などの可塑剤は必要ない。
Q . PETボトルにビスフェノールAは含まれるか?
食器やカップなどに使用されるプラスチックにビスフェノールAが含まれるが、PETボトルには含まれない。
Q. 何故PETボトルの飲料にアンチモンが含まれるのか?アンチモンのヒトへの影響は?
少し前にハイデルベルク大学の研究所がPETボトル飲料からアンチモンを検出したという報道があった。アンチモンはPETボトルの製造の際に触媒として使用される。BfRはその検査結果を評価した結果、検出された量は規制値より二桁少なくヒト健康リスクはないと結論した。