食品安全情報blog過去記事

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子どものおもちゃの鉛についてのQ & A

26.09.2007
http://www.bfr.bund.de/cd/10063
ここ数週間、中国産おもちゃに鉛が含まれるというニュースが繰り返された。
鉛はおもちゃに使用されている塗料に含まれていた。子どもはおもちゃを口に入れたり一部を飲み込んだりするため、子どもに有害影響がないように鉛は存在しないことが望ましい。製造業者や輸入業者はおもちゃの安全性を確保しなければならない。BfRはここに保護者向けのQ & Aを準備した。
鉛とは何か?
鉛は天然に存在する重金属で、工場だけでなく環境中に存在する。環境中有害物質で生物にも多く含まれる。また車のバッテリーや色素や陶器の釉薬など多数の製品に含まれる。
鉛はヒトの健康に危険か?
鉛は他のほとんどの重金属同様有害である。急性鉛中毒の症状は嘔吐、消化管症状、腎障害などである。子どもは発達途上であるため特に感受性が高く、高用量暴露により神経障害や脳機能障害が起こりうる。慢性中毒では貧血や虚弱、食欲不振などがおこる。
どうしておもちゃに鉛が含まれるのか?
現在公的調査で判明したケースでは、プラスチックおもちゃの塗料に規制値を超える鉛が含まれていた。
おもちゃの鉛はどれだけ危険か?
WHOによる鉛の暫定耐用週間摂取量PTWIは25 microg/kgである。この値は子どもの鉛への感受性の高さを考慮したものである。
おもちゃの鉛の危険性についてはいくつかの要因による。おもちゃに含まれる量、溶出する量、接触する方法、口に入れるかどうか、吸うか、おもちゃを丸ごと飲み込むか、などの条件により変わる。
おもちゃの鉛規制値は?
おもちゃの鉛規制値は、一部が飲み込まれて胃酸で溶けて吸収される量が最大1日0.7 microgと設定されている。子どもは1日に約8 mgのおもちゃ成分を飲み込むという仮定で、おもちゃ1kgあたり最大90 mgとされる。絵の具については25 mg/kgである。
許容値を超える鉛がおもちゃから溶出する場合にはどうなるか?
基本的に販売業者や輸入業者は消費者の健康に被害がないものしか欧州市場に持ち込めない。もし基準値を超える鉛が含まれる場合には直ちに回収される。
どのおもちゃに鉛が含まれるかどうすればわかるか?
見た目ではわからない。化学分析が必要である。製造業者と輸入業者の責任が大きい。