食品安全情報blog過去記事

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消費者製品由来のアルミニウムによるアルツハイマーの危険性はない

10.10.2007
http://www.bfr.bund.de/cm/216/keine_alzheimer_gefahr_durch_aluminium_aus_bedarfsgegenstaenden.pdf
アルミニウムは天然由来成分として飲料水やその他の食品、特に野菜や果物に含まれる。消費者は主に食品からアルミニウムを摂る。さらに調理器具や容器やホイルやパイプなどのアルミニウム含有消費者製品からも摂取しうる。また制酸剤として知られる医薬品としても使われ、化粧品にも使われる。
消費者製品や化粧品のアルミニウムの安全性については、特にアルツハイマー病発病への関与について、何度も批判的に取り上げられてきた。アルツハイマーの病変部位にアルミニウムの沈着が見られることと、高濃度のアルミニウムに神経傷害作用があり血液脳関門を通過することが根拠として挙げられている。BfRは食品や消費者製品から摂取されるアルミニウムについて評価を行い、以下の結果を得た。
食品や制酸剤から摂取するアルミニウムの量に比べて、消費者製品からのアルミニウム摂取量は少なく、毒性のある量より明確に少ない。
飲料水を含む食品や医薬品、化粧品からのアルミニウム摂取量が多いこととアルツハイマー病の関係に科学的根拠はない。透析患者でもアルミニウム産業従事者でも脳のアミロイド沈着は平均より高くはない。従ってBfRは食品や化粧品からのアルミニウムの摂取は健康に悪影響はないと考える。
酸性条件ではアルミニウムの溶解性が高くなるため、リンゴやトマトのピューレや塩漬けニシンのような酸や塩の強い食品にはアルミ製の容器やアルミホイルを使わないことで不必要なアルミの摂取は予防できる。