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SCENIHRの予備的報告書「DEHP可塑剤を使用したPVCやその他の可塑剤を含む医療器具の新生児やその他のリスクのある集団に対する安全性」についてパブリックコメント募集

新興健康リスクに関する科学委員会
Public consultation on the SCENIHR preliminary report on 'Safety of medical devices containing DEHP-plasticized PVC or other plasticizers on neonates and other groups possibly at risk’
15-10-2007
http://ec.europa.eu/health/ph_risk/committees/04_scenihr/scenihr_cons_05_en.htm
報告書は
http://ec.europa.eu/health/ph_risk/committees/04_scenihr/docs/scenihr_o_008.pdf
概要
2002年に医療用品に関する科学委員会(SCMPMD)がDEHPを可塑剤として含むPVCを使った医療器具についての意見を発表した。その意見では新生児やその他の比較的暴露量の多い集団においてもDEHP-PVC暴露による有害影響の報告はなく、高濃度のDEHPに暴露された新生児における長期の生殖パターンに何らかの変化の兆候はないとしていた。その後新たな情報が加わり、DEHPのTDIが設定されたりしたのでDEHPの安全性とDEHP代替品の概要について評価した。
一部の医療器具の使用によりDEHPに暴露される。特に実験動物における生殖毒性の知見から、未熟児男児が最も懸念されている。輸液や透析などでDEHPのTDIを超える。
DEHP暴露によるヒトへの影響に関する根拠は限られている。有害影響があるという根拠はないが、治療に伴う高濃度暴露が懸念のもととなっている。一部の医療器具についてはDEHP代替品が使えるかもしれないが、DEHP代替品がないものもあるであろう。可塑剤の代替品を使うにはケースバイケースでリスクとベネフィットを評価すべきである。
意見は2007年11月26日まで募集する


(日本の手袋のDEHP騒動を思い出す。結局日本の「環境ホルモン」研究者はこういう困難な課題には取り組まない)