食品安全情報blog過去記事

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炎症、喫煙、尿毒症、アテローム発生をつなげるカルバミル化

Nature Medicine 13, 1176 - 1184 (2007)
Zeneng Wang et al.,
Protein carbamylation links inflammation, smoking, uremia and atherogenesis
心血管系疾患リスクの増加に関連する因子としてコレステロールなどの脂質異常がよく知られている。しかし喫煙や炎症や酸化などによる心血管系疾リスクは脂質では説明できない。この論文ではミエロペルオキシダーゼによるチオシアン酸塩の酸化が蛋白質のカルバミル化をおこしてアテローム動脈硬化をおこすのに関与していることを支持するデータを提示した。チオシアン酸塩は喫煙や食事により血中濃度が高くなり、ミエロペルオキシダーゼはそれをシアン酸塩に変換する。シアン酸塩とイソシアン酸塩は相互変換するがその際に蛋白質をカルバミル化する。