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研究者は干ばつに耐えられる植物を作った

Natureニュース
Researchers engineer drought-resistant plants
26 November 2007
http://www.nature.com/news/2007/071126/full/news.2007.289.html
遺伝子組換えタバコは倒れない
研究者らが長い乾燥に耐え、通常のタバコより70%少ない水で成長できる干ばつ耐性タバコを作った。この知見は他の種類の干ばつ耐性作物を作るのに役立つであろう。タバコは遺伝子操作が簡単なので試験対象にしたが、彼らは現在トマトとコメとコムギで研究している。
干ばつは世界中で不作の主要な原因でありさらに気候変動による降雨パターンの変化がより深刻な水不足をもたらすであろうと予想されている。既に一部の地方では水は肥料並みに高価なものである。
Blumwaldらは水不足の際に植物が葉を落とすのは遺伝的にプログラムされている現象であると考えた。この現象を避けるには植物ホルモンサイトカイニンを増やすのが一つの方法であろうと考え、ストレスのかかった組織でサイトカイニン産生蛋白質を作るような組換えタバコを作出した。普通のタバコは2週間水をやらないと葉が枯れるが、この組換えタバコは葉を保ち、再度水をやると葉は元に戻った。
さらにこの組換えタバコは通常より70%少ない水しか与えなくても収量はわずか12%しか減らなかった。
次のステップは耐塩性を調べることである。
Rivero, R.M. et al . Proc. Natl Acad. Sci. USA 104, 19631-19636 (2007)