食品安全情報blog過去記事

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SeraliniらのMON863トウモロコシのラット90日間混餌投与試験に関する報告のレビュー(食品安全大臣への説明)

Review of report by S ralini et al re MON863 corn 90-day rat feeding study (briefing to the Minister for Food Safety)
6 December 2007
http://www.nzfsa.govt.nz/consumers/gm-ge/r-gm-brief.htm
Seraliniらの論文「New analysis of a rat feeding study with a genetically modified maize reveals signs of hepatorenal toxicity」についての、ヨーロッパ食品安全局EFSA、オーストラリアニュージーランド食品基準局FSANZ及びニュージーランド環境科学研究所ESRによるレビューの結果。このブリーフィングには遺伝子組換え食品の安全性評価における動物での混餌投与試験の役割についての説明も含まれる。

http://www.nzfsa.govt.nz/consumers/gm-ge/r-BN_07-050_Review_of_Report_by_Seralini_et_al_re_MON863_Corn_90_Day_Rat_Feeding_Study.pdf
NZFSAは、S raliniらの論文からMON863が通常の遺伝子組換えでないトウモロコシより大きなリスクがあるということは示されていないと結論している。
遺伝子組換え食品の安全性評価における動物での混餌投与試験については、極限られた条件での有用性しかない。食品は多くの化学物質の混合物で、動物に食べさせることができる量には限度があり、ヒトより少ない量しか与えられないこともある。さらに実験対象動物の栄養バランスへの影響があると、何が原因で影響されたのかを同定するのが困難になる。従ってGM食品の安全性評価には混餌投与試験から得られる情報はほとんど無い。