食品安全情報blog過去記事

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クローン動物に関するFAQ

FAQ on Animal Cloning
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_AnimalCloningFAQs.htm
クローン動物とは何か?
クローニングとは生殖技術の一つである。最もよく使われるのは体細胞核移植(SCNT)である。未受精の卵の核をある動物の体細胞の核と交換して胚を作らせ、ある動物の遺伝的コピーを作る。この胚は代理母獣に移植して生まれるまで育てられる。

この問題についてのEFSAの役割は?
クローン技術が進んだため、クローン動物とその子孫由来食品が販売されることが現実味を帯びてきた。現時点ではクローン動物由来食品に特別な認可方法は存在しない。そのため欧州委員会が、食品の安全・動物の健康と福祉及び環境に関するクローン動物の影響についてEFSAに科学的意見を求めた。EFSAは、将来クローン動物由来食品についての規制を決定するECや他のヨーロッパリスク管理者に対して科学的助言を与える。

他に誰が関与しているか?
ECは科学と新技術に関するヨーロッパ倫理委員会(EGE)にも諮問している。 EFSAは倫理や道徳やその他の社会的問題については扱わないため、これがEFSAの作業を補完する。その後ECはさらなる対応が必要かどうかを検討するであろう。他の国でも同様の検討を行っており、例えば米国ではFDAリスクアセスメントを行っている。

現在クローン動物由来食品が販売されているか?
ヨーロッパでは現在クローン技術は商業利用されていない。クローン動物由来食品が世界のどこかで販売されているという情報はない。米国ではそのような製品の販売は2001年から自主的に停止されている。

クローン動物に関するEFSAの意見はどのようなものか?
EFSAは最終的結論には達していない。今のところ結論案はクローン動物及びその子孫由来食品は通常の動物由来食品と比べて何ら新しい食品安全上の問題とはならないということを示唆している。しかし意見案ではデータ不足による不確実性があることも認めており、健康や福祉上の問題も指摘している。この意見はパブリックコメントを経て最終化される。

次はどうする?
EFSAが科学的意見案を発表し、パブリックコメントを募集している。最終意見では得られたコメントが検討される。意見は2月25日締め切りである。

いつ最終決定されるか?
EFSAは2008年5月までに作業を完了したい。


「体細胞核移植(SCNT)によりクローニングされた動物とその子孫及びそれらの動物由来製品の食品安全・動物の福祉と健康及び環境への影響についての科学的意見」案についてパブリックコメント募集
Public consultation on the draft “Scientific opinion on food safety, animal health and welfare and environmental impact of animals derived from cloning by somatic cell nucleus transfer (SCNT) and their offspring and products obtained from those animals”
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178676922939.htm
意見案全文
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/DocumentSet/sc_opinion_clon_public_consultation.pdf