食品安全情報blog過去記事

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クローン動物及びその子孫由来食品

Food derived from cloned animals and their offspring
Updated January 2008
http://www.foodstandards.gov.au/newsroom/factsheets/factsheets2008/foodderivedfromclone3821.cfm
クローン動物及びそれらに由来する食品については、最近政府や研究者やメディアや一般人の注目や議論の的である。
2008年1月に米国FDAが最終リスク評価報告書を発表した。
http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2008/NEW01776.html
そしてEFSAはクローン動物由来の肉やミルクは安全であるという意見案を発表してパブリックコメントを募集した。
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178676923092.htm
クローニングとは何か?
クローン動物はウシやブタやヒツジやヤギなどの多数の家畜で新たに使われるようになった技術である。これは他の所から遺伝子や蛋白質を導入してある種の性質を変える−例えばトウモロコシに昆虫耐性を与えるとか−遺伝子組換えとは違う。クローン動物は、卵の遺伝子をドナー動物の成熟細胞の遺伝子と入れ替え、代理母に移植して出産させる。

オーストラリアとニュージーランドにクローン動物はいるか?
オーストラリアとニュージーランドではクローン動物は未だ実験段階で、主に乳牛及び肉牛のごく一部に限られている(オーストラリアには100頭以下)。ヒツジも僅かだけいる。
FSANZはここ数年オーストラリアとニュージーランドの科学者や企業と密に連携してきた。FSANZは彼らからクローン動物は研究段階に限られていて食用にはなっていないと知らされている。

食品規制機関はどう対応するか?
クローン動物そのものは高価な実験動物なので食用になることはなさそうである。しかし将来はその子孫(クローン動物と非クローン動物の通常交配)はより一般的になるであろう。クローン技術は進歩し続けると予想され、各国がクローン動物とその子孫の安全性問題を検討している。FSANZはこの問題についての国際動向を何年間も監視してきており、オーストラリア政府からの助言も求められている。FSANZは米国FDAのリスク評価案に含まれていた根拠について評価しその解析結果をオーストラリア政府に提出している。