食品安全情報blog過去記事

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良いものと悪いものとナノ粒子

The good, the bad and the nanoparticles
Andrew Wadge
January 25th 2008
http://www.fsascience.net/2008/01/25/the_good_the_bad_and_the_nanoparticles
今週号のニューサイエンティストのエディトリアルの一つでナノ粒子を新しい 「化学物質」として取り上げている。有機食品や有機農業の推進団体であるSoil Associationが、その認証有機製品にナノ粒子を禁止している。しかしながら禁止しているのは人工のナノ粒子だけで、天然ナノ粒子は良いらしい。
「化学物質」は、科学の世界の外では常に悪いもので、全てが良いものである「自然」の敵である。我々の知っているモノの全てが化学物質であるという事実はこの世界では無視されている。そしてニューサイエンティストは、ナノ粒子もまた同様の地位になったことを指摘している。人工のものは悪くて、自然のものは良い。もちろん、ディナーに煤やウイルスが入ることは必ずしも歓迎されていないだろうが。
FSAのナノテクノロジーに関する議論は、食品の容器や成分にどのように応用され、これによりどのような倫理的・規制上の・科学的対応が必要かどうかということで、現在いくつかの研究を遂行している。
昨年の展望報告書では、食品が体内でどのように消化吸収され貯蔵されるのかを追跡するナノスケールセンサーについて述べている。ナノテクノロジーは今後多く議題となるであろう。この新しい技術を、ネオナチュラルのもう一つの募集用ポスターにするのではなく、ありのままに分類することが役立つであろう。


参考
・New Scientistの記事(全文を読むには購読が必要)
ナチュラルは無害を意味しない
Editorial: Natural does not mean harmless
26 January 2008
http://www.newscientist.com/channel/opinion/mg19726402.700-editorial-natural-does-not-mean-harmless.html
英国の有機農産物促進団体Soil Associationが、同団体の認証する有機製品にナノ粒子禁止を発表した。但し禁止対象は人工ナノ粒子だけである。プレスリリースによれば、煤のような天然ナノ粒子は問題ないそうだ。


・Soil Associationのプレスリリース
Soil Associationは世界で初めてナノ粒子を禁止する−皮膚に入り込む有害な美容用品
Soil Association first organisation in the world to ban nanoparticles - potentially toxic beauty products that get right under your skin
2008/01/17
http://www.soilassociation.org/web/sa/saweb.nsf/89d058cc4dbeb16d80256a73005a2866/42308d944a3088a6802573d100351790!OpenDocument
ナノテクノロジーGMのようなものでGMよりさらに悪い、と言っている。
主な標的は化粧品(日焼け止めとか美白とか)らしい。
(有機化粧品って何だろう・・「自然が一番」なら化粧そのものが「不自然」だとか思わないんだろうか?)