食品安全情報blog過去記事

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オランダのプロバイオティクス研究に関して

対象製品供給業者からの声明
Winclove Bio Industries BV
January 23, 2008
http://www.winclove.nl/pdf/080123_Statement_EN_Winclove_pancreatitis.pdf
ユトレヒト大学医学センター(UMCU)のプレスリリースで、急性膵炎患者を対象にした臨床試験プラセボ群より投与群で死亡率が高かったと発表された。
この試験では急性膵炎患者にプロバイオティクス予防薬を経鼻空腸栄養供給チューブから投与されている。複数微生物からなるプロバイオティクス製剤がWinclove Bio Industriesから供給された。
UMCUが研究計画と実行に責任があり、この研究に関する全てのデータを提供するであろう。この研究の資金はオランダ経済省傘下の機関であるSenterNovemから提供されている。Winclove Bio Industriesは研究費を提供していない。
Wincloveは以下のことを追加する。
・ この研究から、予防的に、少なくとも死亡率増加の原因が完全に明らかになるまで、プロバイオティクスを経鼻空腸栄養供給チューブ(腸管に直接栄養を供給するもの)から投与すべきではないと結論した。同様に集中治療中の重症患者や臓器不全又は腸管虚血のリスクが増加している患者にも投与すべきではない。
・ WincloveはUMCUの行った多センター試験は全ての品質基準を満たしていると確信している。同様に、Wincloveは製品の製造に最高の品質基準を適用している。同様のプロバイオティクス製品はこれまでの研究では有害事象を示していない。オランダの規制に求められる汚染物質は検査している。
・ この研究で使用された細菌系統はそれぞれヨーロッパで“安全と見なされるQualified Presumption of Safety (QPS)”ものである。米国ではGRASに相当する。全て広く使用されているものである。
・ この研究はWincloveのプロバイオティクス一般の細菌感染予防能力への信頼に影響しない。Wincloveはプロバイオティクスの影響に関する質の高い科学研究を重視している。従ってWincloveは尊敬されている大学の研究グループとの協調を継続する。
Official Statement of the Foundation “Gut Flora in Health and Disease”
http://www.gutflora.org/statement.pdf
An international non-profit association of scientists dedicated to advancing the fundamental and applied science of probiotics and prebiotics
http://www.isapp.net/docs/utrecht_response_1-24-08.pdf
細菌の系統が出ている
製品名はEcologic 641で、含まれるのはLactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei, Lactobacillus salivarius、 Lactococcus lactis、 Bifidobacterium bifidum 及びBifidobacterium lactisの6種の生きた又は凍結乾燥品で、一日生きた細菌10-10個を経鼻空腸栄養チューブから直接腸に投与した。実験の詳細は以下
http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?artid=526218
検死の結果、プロバイオティクスが感染を引き起こした可能性は否定されたが、死亡にどういう役割を果たしたかについては不明である。