食品安全情報blog過去記事

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Airborneは「ミラクル風邪薬」という虚偽の宣伝についての訴訟で2330万ドルを支払うことで和解

CSPI(米国民間団体)
Airborne Agrees to Pay $23.3 Million to Settle Lawsuit Over False Advertising of its "Miracle Cold Buster"
March 3, 2008
http://www.cspinet.org/new/200803032.html
風邪の予防や治療に有効であると宣伝していたマルチビタミン・ハーブサプリメントAirborneの製造者は、この製品を購入した消費者に返金する。返金方法は雑誌の広告に掲載する。
中学校の先生Victoria Knight McDowellとその夫Thomas Rider McDowellがでっち上げたAirborneは、「免疫系を活性化しばい菌をやっつける」とし、使用方法として風邪のひきはじめの症状が出たら、又は人混みの中などの感染する可能性のある環境に入る前に飲むことを薦めていた。「学校の先生が作った!」という親しみやすいスローガンと本物の風邪薬と一緒に並べるという宣伝戦略(*)のおかげでこの会社は大成功し、有名な番組Oprah Winfrey ShowにVictoria Knight McDowellが出演するまでになった。
しかし2006年2月にABC放送がGood Morning Americaで、Airborneが大々的に宣伝している臨床試験が実際は医師や科学者無しでAirborneのために二人だけで作った会社で行ったものであることを暴露した(しかもそのうち一人は学歴詐称)。その後間もなく2006年3月にAirborneを訴えるという意志が伝えられると、Airborneはその研究に言及するのをやめ、宣伝もトーンダウンしたて「免疫強化」だけになった。2007年にFTCと州検事総長団体がAirborneの1999年創設以来の宣伝文句について調査を開始した。現在この調査は進行中である。
Airborneの基本組成はビタミンA、C、Eとアミノ酸のグルタミンやリジン、そして「ハーブ抽出物ブレンド」である。CSPIはAirborneを2錠摂るだけでビタミンAの1日最大量(1万U)になるのに1日3錠使用と表示してあることから警告していた。
CSPIはAirborneが風邪の予防や治療に有効であるという科学的根拠はないとしてカリフォルニア法律事務所から集団訴訟に強力することを依頼されて参加していた。
* 注 ドラッグストアでは通常サプリメントのコーナーと医薬品のコーナーは分けられている。この製品は医薬品の隣に並べられていることが多かったため薬効が期待できると誤認された。


ニューヨークタイムスやABCのこのニュースにはたくさんの読者コメントがついている
「だって自分には効いた」と言っている人が結構いる。だから騙され続けるのだけれど。
この訴訟で虚偽宣伝と認定されても行政措置はないので販売は続けられる。効くと信じている人は買い続けるのだろう。


日本でも買ってる人がいそう
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&cr=countryJP&rlz=1T4GFRC_jaJP207JP207&q=airborne+%E8%96%AC&suggest=6&sa=X&oi=cjkrefinements&resnum=1&ct=result&cd=7
100%ナチュラルだから妊娠中に飲むなどと言ってる。なんて無謀な(妊娠中にビタミンAの摂りすぎは避けるべき)。