食品安全情報blog過去記事

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我々は「悪い科学」中毒か?

Are we 'bad science' junkies?
Monday 10 March 2008
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2008/mar/gacs
我々は健康にリスクがあるものを判断するのがどれだけ上手だろうか?FSAの新しい調査によれば、我々の食事のリスクに関する認識の一部は科学を無視している。このスナップショット調査は、各種の食品問題に関するリスクについて消費者がどう認識しているか科学的根拠と比較して調べたものである。
その結果は、鳥インフルエンザ、未殺菌ミルク、遺伝子組換え食品のリスクに関する人々の意見と、彼らが健康問題について信用するのは誰の意見かを示している。この調査についての詳細情報はプレスリリースを参照。
この調査はFSAの新しい独立委員会である科学に関する一般助言委員会(GACS)の最初の会合のために行われたものである。この会合は明日開催され神経科学教授Colin Blakemoreが委員長である。午後にGACSは「我々は科学者が食品について語ることを信用すべきか?」という問題についての公開パネル討論を行う。このディベートは全国科学技術週間の一環として開催され、パネリストにはガーディアンの「Bad Science」のコラムニストであるBen Goldacreも含まれる。


調査結果
Are we 'bad science' junkies?
http://www.food.gov.uk/news/pressreleases/2008/mar/badscience
鳥インフルエンザ
90%が鳥インフルエンザ汚染のある工場産のチキンを食べることを心配している。実際には鳥インフルエンザのヒト感染に食品が関与するという科学的根拠はない。適切に調理された鶏肉を食べることで鳥インフルエンザになることはない。

未殺菌乳
約1/4の人、特に66才以上の人が生の、殺菌していないミルクを飲むことのリスクは極めて低いか全くリスクがないと考えている。しかしながら科学的には生のミルクには、たとえ最良の衛生状態で生産されたものでも、細菌がいないという保証はできない。1995-96年に行われた調査では、検体の60%に糞便汚染があった。1996-97年の別の調査では生のミルクの4%に人の病原となる細菌汚染があった。高齢者や小さい子ども、妊婦などの感受性の高い集団には特にリスクとなる。

遺伝子組換え(GM)食品
65%がGM食品の安全性を心配している。科学的根拠は、現在入手できるGM食品はGMでない食品と同じ程度に安全で、消費者に追加のリスクはないことを示している。GM成分を含む食品については消費者の選択のために表示する必要があるという一般的合意はある。

信頼
人々は健康問題については、科学者よりも友人や家族を信用する傾向がある。


しかしながらこの調査では、牛肉を食べることについては今やほとんど心配していないことがわかった。また食塩の摂りすぎに関するリスクや古くなった食べ残しの危険性については良く知られていた。