食品安全情報blog過去記事

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ビスフェノールAと食品包装

ファクトシート
Bisphenol A (BPA) and food packaging
April 2008
http://www.foodstandards.gov.au/newsroom/factsheets/factsheets2008/bisphenolabpaandfood3898.cfm
FSANZは容器包装から食品へ移行する化学物質に関する問題について監視を続けており、過去数年プラスチック容器中の化学物質が食品や飲料を汚染していると主張する多数の報告があることを承知している。
ビスフェノールABPA)とは何か?
BPAポリカーボネートプラスチックや合成樹脂の製造原料として使われる工業用化学物質である。
BPAは飲料容器や哺乳瓶、プラスチック食器や食品用缶の内部コーティングなどの食品と接触する器具から検出される。
ある状況においては、包装の性質と中に含まれる食品の性質により、食品包装中の化学物質が食品に移行したり食品から包装に移行することがある。
BPAの健康影響は?
ビスフェノールAはがんを誘発しない。BPAはある種のホルモンと同様の作用を持つ物質の一種で、しばしば「内分泌攪乱物質」と呼ばれる。一部の動物実験で、摂取されている低用量のBPAが生殖系に影響するかもしれないということが示唆されている。BPAは速やかに不活性化されて尿中に排泄されるので、消費者においてはこうした低濃度では同様の影響はないと考えられている。
食品中の極めて微量のBPAは懸念があるか?
最近EFSAがBPAの科学文献評価を完了し、1日最大「安全基準」を設定した。 EFSAは哺乳瓶でミルクを飲んでいる赤ちゃんの一日の総BPA摂取量は、普通の家庭で洗う条件では赤ちゃんにとって安全な量の10%以下、熱湯や強力な溶剤を使って洗った場合で約20%であると結論した。成人では缶詰食品や飲料からの推定一日摂取量は安全限度の約5%であると推定した。
FSANZはEFSAの行ったリスク評価に合意し、オーストラリアとニュージーランドにおける規制状況は消費者の健康を守るのに十分であると考えている。
食品包装はどのように規制されているか?
FSANZは食品基準1.4.3-食品と接触する物質 により食品包装容器を規制している。食品基準1.4.3は一般的に食品と接触する物質についてのもので個々の包装資材や製造方法や使用法を特定していない。
しかしながらプラスチック包装用製品については、この基準はオーストラリアの食品用プラスチック基準AS 2070-1999を参照している。この基準は食品用プラスチックの製造に関する企業向けガイドである。AS 2070はプラスチックの製造と使用に関する米国や欧州経済共同体規制を参照している。さらにオーストラリア各州や地方の食品法が食品包装の問題に触れている。