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裁判所はTysonに「抗生物質フリー」チキンの宣伝中止を命令
US: Court orders Tyson to suspend ads for antibiotic-free chicken
02.may.08
The Washington Post
Annys Shin
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/05/01/AR2008050103514.html?hpid=moreheadlines
鶏肉大手のTysonが、抗生物質を使わないで鶏を育てていると主張することをメインにした数百万ドルを費やした全国キャンペーンを中止するよう裁判所から命じられた。ライバル社のPerdue FarmsとSanderson Farmsが「抗生物質を使わないで育てている」という主張はTysonの鶏が健康的で安全であると消費者を誤解させるものだと異議を申し立てていた。当初Perdue FarmsとSanderson FarmsはTysonがイオノフォアを使っていることを根拠にしていたが、後にTyson社は孵化前の卵にヒト用抗生物質を使っていることを認めた。Tysonは生まれる前の卵に抗生物質を使っているということは「抗生物質を使わないで育てている」ことと矛盾しないと主張している。なぜなら育てるというのは卵がかえった後の話だからだと。
Tysonは昨年来の「ヒトでの抗生物質耐性に影響する抗生物質を使わないで育てている」という宣伝により大きな成功をおさめた。


(イオノフォアはコクシジウム抑制剤で厳密に言えば細菌に効く「抗生物質」とは違う。しかし消費者は多分「抗生物質は使っていません」という表示が抗ウイルス剤やコクシジウム抑制剤は使っているという意味だとは受け取っていないだろうし、Tysonの宣伝担当者も誤解を見込んで宣伝に使っているのだろう。
このように非使用・無添加といった表示は嘘ではないが誤解を与えるもので、公共の利益という視点では決して薦められるものではない。)