食品安全情報blog過去記事

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全員で慎重に考えた案

The best laid schemes o’ mice an’ men…
May 19th 2008
Andrew Wadge
http://www.fsascience.net/2008/05/19/the_best_laid_schemes_o_mice_an_men
ロバート・バーンズ(注)には申し訳ないが、私は人間の計画の全てが失敗するわけではないことを発表することが嬉しい。Wadgeブログの定期的読者は、私が政策決定はできる限りしっかりした科学的根拠のあるものであることを切望していることに疑いはないであろう。だからFSAのイガイの麻痺性貝毒モニタリング計画にHPLC法を導入することを発表できるのが嬉しい。英国のモニタリング計画の全麻痺性貝毒検査の80%程度がHPLC法になるであろう。他の貝についても今年末程度までにHPLCによる検査ができるようになるであろう。
5月初めまで、麻痺性貝毒の検査はマウスバイオアッセイによるものだった。しかし我々はマウスへの依存を削減し、より技術的に許容できる検査法を導入しようと努力してきた。これは検査法の妥当性評価のための精製毒素標準品を作るのが困難だったりイガイの中にある検査に影響する物質を取り除きつつ微量の毒素を抽出するのが簡単ではないことなどから困難なものであった。
しかしとうとう我々のチームはHPLCでの定量分析が可能な程度に14の毒素の単離に成功したのだ。この方法によりマウスバイオアッセイより多くの情報を得ることができる。これは我々のモニタリング計画にとっても動物の福祉にとっても飛躍的進歩である。英国はEUで初めてこの方法を法定検査法に取り入れた。つまり、たった一匹のネズミを救ったロバート・バーンズとは違って、 我々のしっかりした科学とその応用は数千匹ものネズミを救うであろう!


注)スコットランドの国民的詩人
詩「二十日鼠」の第7節が、スタインベックの「二十日鼠と人間」のテーマとしても有名

ハツカネズミと人間のこのうえもなき企ても
やがてのちには 狂いゆき
あとに残るはただ単に悲しみそして苦しみで
約束のよろこび消えはてぬ