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クローン動物研究報告書が発表された

Cloned animals research report published
Thursday 5 June 2008
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2008/jun/clone
FSAは本日英国の人々のクローン動物の作成やクローン動物及びその子孫由来製品(乳や卵など)がフードチェーンに入ることについての意識調査研究を発表した。
懸念されているのはクローン動物由来食品が食べても安全かどうか、動物の福祉の基準、消費者にとって具体的なメリットがないこと、関係者への不信などである。
要約と全文を提供している。
調査はワークショップ形式で行われている。
現状の交配状況の文脈から考えると、クローン動物作成はその他の生殖補助技術とは大きく異なると考えられている。クローニングは「母なる自然に手を貸す」ことから逸脱して「自然への干渉」と感じられている。
知識のレベルやクローニングがどういうものかについての理解の程度は人により大きく異なるが、注目されていたのは「どのようなものか」ではなく「何故そういう技術が必要なのか」と「その結果どうなるのか」であった。
消費者にとっての具体的メリットがわからないこと、クローン動物を作りたいという主な動機がバイテク企業や家畜繁殖業者や農家や食品販売業者の経済的メリットであることを心配していた。さらに体細胞核移植の成功率が現状では低いことを知ると動物の福祉についての懸念が増加した。またそのような技術を人類が追求する権利があるのかという倫理的懸念がある。
またクローン動物由来食品が安全ではないのではないかということも心配されていた。規制機関の用いている食品の安全性評価の方法と一般人が必要だと思っている方法との間には大きな不一致がある。一般人は医薬品の臨床試験同様の方法で食品の安全性を評価すべきだと思っている。
報告書全文
http://www.food.gov.uk/multimedia/pdfs/clonereport.pdf