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食品添加物としてのローズマリー抽出物の使用 AFCパネルの意見

Use of rosemary extracts as a food additive - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Materials in Contact with Food
12/06/2008
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178714927107.htm
ローズマリー抽出物はRosmarinus officinalis L.由来で数種類の抗酸化活性のある化合物を含む。主にフェノール酸、フラボノイド、ジテルペン、トリテルペン類である。この意見はいくつかの溶媒抽出法により作成されたローズマ リー抽出物についてのものである。(抽出法の違いにより5種類)
抽出物中の主な抗酸化物質はフェノール性ジテルペン類であるカルノソールとカルノシン酸である。5種の抽出物のうち4種については遺伝毒性試験が行われており、遺伝毒性はない。ラットの急性及び亜慢性毒性試験での毒性は低い。
高濃度のローズマリー抽出物では肝肥大が見られるがこれは可逆的で酵素誘導 によるものと考えられる。90日間試験でのNOAELは180-400 mg/kg体重/日で、カ ルノソールとカルノシン酸に換算すると20-60 mg/kg体重/日となる。生殖毒性 と長期毒性試験データが提出されなかったのでADIは設定できない。一方既存の データから懸念材料はない。食事からの摂取量推定では成人と就学前児童につ いてカルノソールとカルノシン酸の合計が平均で0.04 及び 0.11 mg/kg/日、 95パーセンタイルで0.10及び 0.20 mg、97.5パーセンタイルで0.12及び 0.23mgとなる。90日試験のNOAELと暴露量推定の暴露マージンは成人については 平均的摂取量で500-1500、95パーセンタイルで200-600、97.5パーセンタイルで167-500となる。就学前児童については182-546、100-300および 87-261とな る。これらのマージンは最悪シナリオである。従って提案された使用条件での食事からの暴露は安全上の懸念はない。