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ヒ素と水稲:無視されているがんリスク?

SCIENCE News This Week July 11 2008, Vol. 321. no. 5886, pp. 184 - 185
Arsenic and Paddy Rice: A Neglected Cancer Risk?
Richard Stone
米や米ぬか、せんべいなどのヒ素濃度に関する知見3セットから、米のヒ素ががんリスクを増加させるかどうかの疑問が生じている。
これらの研究で検出されているのは多くがヒ酸や亜ヒ酸などの無機ヒ素であり、飲料水からの摂取で発がん性が知られている。米はヒ素を蓄積するため、米を多く食べる人々にとってはバックグラウンドレベルでも問題になる、と英国生物地球化学者Steve McGrathは主張している。
米とがんの関連を示すデータはない。米中のヒ素濃度を下げる必要はあるが差し迫ったハザードというわけではない。
中国は2005年に米のヒ素許容濃度を1kgあたりの無機ヒ素で700 microgから150 microgに引き下げた。魚やシーフード中には食べたときの毒性が低いアルセノベタイン等の有機ヒ素化合物が含まれる。FDAの1993推奨では無機ヒ素の「耐容1日摂取量」は130microgとしている。しかし米国を含む各国政府の多くは食品中の無機ヒ素については法的基準値は設定していない。
(Andrew Mehargらが各種食品について報告&警告している。特に健康食品売り場の米ぬかが高かったと。もともと精白しない方が高いし・・そんなこといったらヒジキはどうする)