食品安全情報blog過去記事

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オーガニック食品の栄養価が優れているという主張

Claims of Organic Foods Nutritional Superiority
July 21, 2008
http://www.acsh.org/news/newsID.1713/news_detail.asp
「オーガニック支持者は誤解を招く適切に評価されていないデータを用いている」
Rutgers大学食品科学名誉教授でACSHの科学アドバイザーであるJoseph D. Rosen博士によれば、最近の有機農業支持者による有機農法で育てた作物が通常作物より栄養的に優れていることを証明しようという試みは失敗した。
Rosen博士はCharles Benbrookらによるオーガニック支持報告書を解析し、彼らが望ましいデータのみを選択していることを見つけた。Rosen博士の報告書は以下。
Claims of Organic Foods Nutritional Superiority
http://www.acsh.org/docLib/20080721_claims_of_organic_foods.pdf
(ページ数は多くないのにやたら重いので注意)

もとになったオーガニック支持ペーパーでBenbrookらは有機食品は通常栽培食品より25%「栄養価が高い」と主張している。しかしRosen博士が彼らのデータを再計算したところ、通常栽培作物の方が2%栄養価が高いという結果になった。
Benbrookらは有機農法で育てた野菜が通常栽培のものよりケルセトリン(ケルセチンの前駆体)が多いと主張しているが、解析に用いた野菜は、植物にケルセトリンを大量に作らせる有機農薬を散布したものであった。さらにオーガニック支持者は疑わしいデータをそのレビューに含めている。ピアレビューのない報告のデータや、実際に消費者が食べることはない皮付き丸ごとキウイの栄養成分などを含めている。
Rosen博士の報告書は、有機支持者たちがどのように誤解を招く適切に評価されていないデータを用いているかを示すものになっている。

(ケルセチンは抗酸化作用があると一部でもてはやされているが変異原性が陽性なので「予防原則」大好きな人は避けたほうがいいんじゃないの?発がん性はない。)