食品安全情報blog過去記事

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魚を食べることが日本における極めて少ない心疾患を説明するかもしれない

Eating fish may explain very low levels of heart disease in Japan
28-Jul-2008
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-07/uops-efm072808.php
Journal of the American College of Cardiologyの8月5日号に発表されたピッツバーグ大学院の研究者らの報告によれば、日本人がオメガ3脂肪酸の多い魚を大量に食べることが心疾患の少ない理由かもしれない。同時に日系アメリカ人の3世や4世は米国白人と同様かそれ以上に動脈硬化が進んでいることも報告している。
先進国の中で日本の極めて低い心疾患率は謎である。冠動脈心疾患による死亡は日本では米国の半分以下である。これは第二次世界大戦後に生まれた、子どもの頃から西洋化したライフスタイルになっている人々の間でも、冠動脈心疾患のリスク要因である血清総コレステロールや血圧、2型糖尿病については米国とほとんど同じで、さらに主要リスク因子である喫煙が不名誉にも高率でありながら、そうである。
この研究は米国と日本の3つの研究所と大学で日本人と、日系アメリカ人と、アメリカ系アメリカ人の男性の血中オメガ3脂肪酸とじ粥状硬化について調べたものである。40-49才の868人の男性のデータによれば、日本人は粥状硬化が最も少なくオメガ3脂肪酸は2倍高濃度であった。日系アメリカ人とアメリカ人とはあまり違いはないことから、日本人男性における心疾患の少なさは遺伝要因によるよりライフスタイル要因によると考えられる。
米国では魚中水銀の懸念から魚をたくさん食べることを推奨していない。