食品安全情報blog過去記事

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FDA101:ダイエタリーサプリメント

消費者向け情報
FDA 101: Dietary Supplements
August 4, 2008
http://www.fda.gov/consumer/updates/supplements080408.html
法ではダイエタリーサプリメントを一部分において「食品成分」を含む経口摂取するものと定義している。「食品成分」にはビタミンやミネラル、アミノ酸、ハーブや植物、食事の補助に用いることができるその他の物質などが含まれる。
ダイエタリーサプリメントは錠剤やカプセル、粉末、エネルギーバー、液体など様々な形で提供される。これらの製品は全米の店頭やインターネットで入手できる。それらには「ダイエタリーサプリメント」と表示されており以下のようなものがある。
・ ビタミンやミネラル製品
・ 「植物」又はハーブ製品−これらは多様な形態で提供され植物や海藻、キノコあるいはこれらの混合物が含まれる。
アミノ酸製品−アミノ酸蛋白質を作る構成要素で代謝に必要である。
酵素サプリメント酵素は生化学反応を促進する蛋白質複合体である。
人々がサプリメントを使用する理由は様々である。食事や医学的理由により不足する必須栄養素を補うためだったり、活力を上げるとかよく眠るためだったりする。閉経後の女性はエストロゲンの急速な減少に対応するため使っている。

医療の専門家に相談すること
FDAはどのようなダイエタリーサプリメントであっても使用前に専門家に相談することを薦める。多くのサプリメントは強力な生物活性のある成分を含み、そのような製品は全ての人にとって安全ではない。
もしあなたに何らかの持病があってサプリメントを使っているのなら、あなたは自らをリスクに曝していることになる。あなたの主治医は特定の製品をあなたが摂ることが安全かどうか、その製品があなたのニーズにあっているかどうかについて相談にのってくれるだろう。ここに一般的助言を記す。
・ ダイエタリーサプリメントは病気を治療したり、診断したり、治したり病状を和らげるために使うものではない。サプリメントは一部のワクチンのように病気を完全に予防することはできない。一部のサプリメントは一部の疾患のリスク削減に有用でありそのような使用については表示が認められている。 例えば葉酸サプリメントは脳や脊髄の先天異常リスクを削減するという表示ができる。
・ 不適切なサプリメント使用は有害である。サプリメントを何種類も組み 合わせて使用する、医薬品と併用する、あるいは処方された医薬品の代わりにサプリメントを使用するといったことは有害で命に関わる結果をもたらすこともある。
・ 一部のサプリメントは手術の前後に使用すると思わぬ影響がある。例え ばニンニクやイチョウ葉、ニンジン、ビタミンEの副作用には出血がある。さらにカバやバレリアンには鎮静作用があり、手術の際に使われる麻酔薬やその他の薬物の作用を増強する可能性がある。手術の前にはあなたの使用しているサプリメントについて医師に話すべきである。

サプリメントはどのように規制されているのか?
あなたはサプリメントを使うことを考える前に以下のことを知るべきである。
・ 連邦法では全てのダイエタリーサプリメントにダイエタリーサプリメン トと表示することを要求している。用語としては「ダイエタリーサプリメント」または「ダイエタリー」の部分を成分を表す単語、例えばハーブとかカルシウムで置き換えて「ハーブサプリメント」「カルシウムサプリメント」といったものである。
・ 連邦法ではダイエタリーサプリメントには市販前にFDAによる安全性承認は求めていない。
サプリメントの表示のほとんどについてその内容が正確であるとか信頼できるとかをFDAに証明する必要はない。
・ 一般的に、ダイエタリーサプリメントについてのFDAの役割は市販後である。つまりFDAサプリメントについてなんらかの対応を行うのはその製品が重大な、理不尽な健康リスクがあるか、不良品や不正品であることがわかってからである。
・ ダイエタリーサプリメントの宣伝についてはFTCが判断する。
・ 一旦ダイエタリーサプリメントが市販されたら、FDAにはある種の安全性モニタリングの責任がある。この中には企業の重大な副作用の報告義務や、消費者や医療従事者による任意の報告などがある。FDAは製品の表示や宣伝についてもレビューする。
・ ダイエタリーサプリメント業者は重大な副作用についてFDAに報告する義務がある。
・ ダイエタリーサプリメント製造業者は市販前にFDAの承認は必要ない。
・ ダイエタリーサプリメントを特定の疾患の治療や症状緩和用として宣伝するのは違法である。
・ ダイエタリーサプリメントの表示を監視するFDAの能力には限りがある。

サプリメントは安全か?
多くのダイエタリーサプリメントには安全に使用されてきた歴史がある。例えばマルチビタミンサプリメントは何百万人ものアメリカ人が使用してきて有害影響はみられていない。
一部のサプリメントはある種の健康状態に有用であることがわかっている。例えば生殖年齢の女性が葉酸サプリメントを摂るのはある種の先天異常リスクを削減する可能性がある。また結晶型ビタミンB12は天然型ビタミンB12の吸収能力が落ちている50才以上の人に有用である。しかし他のサプリメントについてはさらなる研究が必要である。
一部のサプリメントは有害であるためにリコールされている。そうしたリコールの原因としては以下のようなものがある。
・ 微生物や農薬や重金属汚染
・ 製品に含まれるとされる成分が入っていない
・ 表示と実際に含まれる成分が違う
さらに悪徳業者は全くの違法製品を販売しようとしてきた。
サプリメントを摂る前にその製品があなたにとって安全で適切かどうか確認するように。

安全で情報を持った消費者であれ
・ 信頼できる情報と疑わしい情報を見分けるために医療の専門家に助言を求めること
・ 使用しようとする製品の製造業者に問い合わせること
・ 栄養素や植物由来成分など一部のサプリメント成分は毒性があることを認識すること。さらに一部の成分は過剰摂取や長期摂取、ある種の医薬品や食品との同時使用により有害である可能性がある。
・ 自分の健康状態を自己診断しないこと。至適健康状態を得るのにどうするのが最善かは専門家と相談すること。
・ 処方薬や健康的なライフスタイルに重要な多様な食品の代わりにサプリメントを使用しないこと。
・ 「ナチュラル」という単語を製品が有益であるとか安全であるという意味だとはみなさないこと。
・ 派手な宣伝やニュースの記事に警戒すること。根拠のある健康上の助言は長い時間をかけた研究に基づくものであり、単一の研究を根拠にはしない。
・ 虚偽の宣伝文句を見分ける術を学ぶこと。あまりにもうますぎるような話はたいてい嘘である。

問題があったら報告する
サプリメントによる副作用はできるだけ早くFDAに報告すべきである。もし有害影響があったら直ちに医師に相談すること。あなたも医師もいずれもその問題をFDAに報告して欲しい。どうすればよいかは
www.cfsan.fda.gov/~dms/ds-rept.html
で。
有害影響はサプリメントの製造・販売業者に報告しても良い。企業はその情報を15日以内にFDAに報告する義務がある。

以下参考サイト

アメリカがサプリメント先進国だとか言っている人がいるようだけれど、FDAは決してサプリメントを薦めてはいない、ということはわかるのでは。)