食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

安全性と食品包装

消費者向け情報
Safety and Food Packaging
August 19, 2008
http://www.fda.gov/consumer/updates/foodpackaging081908.html
FDAは食品に移行する可能性のある包装成分を含めた全ての食品包装の安全性確保に責任がある。FDAはそのような物質を「食品と接触する物質」と呼んでいる。例えば缶のコーティングやプラスチックや紙や、蓋やキャップの密封剤などである。
FDAのCFSANにある食品添加物安全性事務所が食品と接触する物質の安全性確保を担当している。「安全」とは法により、意図された使用条件でその物質が有害でないことが妥当性をもって確保されていること、と定義されている。FDA食品添加物の使用を扱う法の下で食品包装成分を規制している。

高い安全性基準
製造業者は食品に移行する可能性のある包装成分全てについて、その物質が「一般的に安全とみなされている(GRAS)」ものでない限り、市販前にFDAからの承認を得る必要がある。承認を得るためには製造業者はFDAにその物質や不純物に関する詳細な情報を提出する。そのなかには化学物質の安全性や環境影響に関する情報も含まれる。もしその物質にヒトや動物にがんを誘発することが示されていればFDAは承認しない。一般的に安全とみなされている物質の場合は法によるFDAの承認は必要ないが、その他の食品と接触する物質同様の安全性基準に合致することが求められる。同様の基準はFDAが市販前の認可制度を採用した1958年以前に非公式に認可された「事前承認」包装成分についても求められる。

消費者暴露評価
安全性評価は消費者が食品と接触する物質になんらかの健康影響がある用量より少ない量しか暴露されないことを確実にする。評価の過程でFDAの科学者はその物質の安全性と食品への移行量を検討する。FDAの科学者は各種の情報やデータから食品への移行量を評価する。例えば
・ 移行検査を行う
・ 総食事暴露量を評価する
・ 安定性データを評価する
・ 研究を評価する

もし後になって懸念が生じたら
他のFDA規制製品と同様、食品と接触する物質の安全性評価は決定が行われた時点における科学の文脈で行われる。このためFDAの科学者は常に新しい情報をモニタリングしている。もし新しい情報がFDAに先の安全性評価への疑問を生じさせるようなものならば、FDAはいくつかの対応を行うであろう。
・ 製造業者に連絡をとって問題の解決を行う
・ その物質を市場から回収したり安全性のための規制値を設ける
・ 企業にに問題点に関する情報提供や新しい実験を求める
・ 安全な使用条件を定めたり追加の規制を設ける
・ 安全でないと考えられる物資の使用を禁止する
FDAの対応は一般的に公衆衛生上のリスクがどのくらいかによる。緊急の危険性には迅速なリコールや規制で対応する。

ビスフェノールA
NIHの一部門であるNTPによる2008年4月の評価案によりビスフェノールABPA)を含む製品の安全性に対する懸念が生じた。BPAは哺乳瓶を含むある種の食品や飲料のプラスチック容器に使用されている物質である。NIHの案では、いくつかの動物での実験から、BPAが乳幼児の発達に影響する可能性が示唆されたとしている。FDAは何年もの間BPAに関する新しい文献を継続的にレビューしてきている。
FDAの専門家はBPAを含むFDAが規制する製品は安全であることを示す大量の根拠があると信じている。現状の証拠は、食品と接触する物質からのBPAの暴露量は、乳幼児を含め健康に悪影響がある量を下回ることを示している。しかしながらFDAは科学を基本とする機関であるため新しい研究については検討し続ける。
最近の懸念については、FDAは2008年4月に機関横断的BPA専門委員会を作成し、FDAの規制対象となる全ての製品のBPAについての新しい情報や研究をレビューした。2008年6月に、FDA科学委員会の小委員会がプラスチック中のBPAの安全性に関する公開会合を開催し、FDA専門委員会の報告書をレビューすると発表した。
FDAによれば、消費者にBPAを含む製品の使用を中止するよう薦める理由はない。しかし心配ならポリカーボネート哺乳瓶の代わりにガラスなどの代替品がある。もしFDAのレビューの結果BPAの使用が安全でないと決定されたらFDAは公衆衛生保護のために対応をするであろう。
2008年9月16日の公開会合については以下
http://edocket.access.gpo.gov/2008/E8-18864.htm
BPA評価案については以下
www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/oc08.html#ScienceBoard
以下参考リンク