食品安全情報blog過去記事

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ブロッコリーと肺の健康

Behind the headlines
Broccoli and lung health
September 15 2008
http://www.nhs.uk/news/2008/09September/Pages/Broccoliandlungfunction.aspx
ブロッコリーが肺を守るかもしれない」とBBCニュースが報じた。研究によりブロッコリーに含まれる化合物スルホラファンが肺細胞が毒物により傷害されたときに器官を守る遺伝子の発現を増加させたと言っている。ニュースによればこの遺伝子は慢性閉塞性肺疾患COPD)の喫煙者では活性が低く、遺伝子の発現を増加させることが有効な治療法になる可能性があるとしている。この実験室での研究は肺疾患に関与する重要な細胞内経路の一部を解明したしたものである。しかしながらこの研究は初期のもので疾患治療に使えるかどうかが明確になるには時間がかかるであろう。
ニュースではスルホラファンに注目していたがこの研究でスルホラファンを調べているのはほんの一部であり、遺伝子組換えした細胞における特定の化学反応の回復についてのみである。ここからブロッコリーを食べると肺を守ると結論するのはあまりにも飛躍しすぎである。COPDの主因は喫煙であり、ブロッコリーを食べることより禁煙の方が肺を傷害から守るのに最良の方法である。