食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

汚染ケーキによるタリウム中毒 イラク、2008

Thallium Poisoning from Eating Contaminated Cake --- Iraq, 2008
MMWR September 19, 2008 / 57(37);1015-1018
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5737a3.htm?s_cid=mm5737a3_x
2008年1月22日にバグダッドの2つの家族10人が病院で治療を受けた。症状は腹痛、嘔吐、嚥下困難で、その後4日以内に5人が神経症状を発症した。1月26日に治療にあたった医師が患者の検体と10人が食べたケーキの検体をバグダッド保健省の中毒検査室に提出した。27日に在イラクWHO代理人が検査の結果ケーキと患者の標本からタリウムを検出したとの報告を受けた。患者の一人の11才の子どもが1月30日に死亡した。
2月1日に生き残った9人は解毒剤であるプルシアンブルー投与のためにヨルダンのアンマンに移送された。ヨルダン到着後間もなく、治療前に2才の子どもが亡くなった。ケーキを食べてから11日後から8人はプルシアンブルーによる治療を受けたが既に2人は重症の脳浮腫を伴う昏睡状態で、やがて死亡した。その後 30日で生存していた6人は全て頭髪を失い、5人は下肢の痙攣や筋衰弱になった。
2008年2月5日から調査が開始された。この二つの家族の父親がともにイラクのスポーツクラブの役員で、1月21日の定例役員会にこの10分割されたケーキが提供されていた。ケーキを作ったのは地元のケーキ屋で、以前役員だった人物からのプレゼントとして提供された。しかしケーキの到着が遅れたためほとんどの役員は帰宅していて、残っていた二人が家族に持ち帰った。そして21日の夜、食べた。それぞれ7人家族、5人家族で、症状はケーキを食べた人にだけ出ている。