食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

乳児の腎臓結石 中国(第6報):WHO、時系列

Infant kidney stones - China (06): WHO, timeline
22-SEP-2008
http://www.promedmail.org/pls/otn/f?p=2400:1001:1081806796108549::NO::F2400_P1001_BACK_PAGE,F2400_P1001_PUB_MAIL_ID:1000,74076
[1] WHO 更新
WHOの項目で紹介

[2]事件の初期の噂
Sunday Star Times New Zealandより
Fonterraと在中国ニュージーランド大使館スタッフは、何ヶ月もの間インターネットの人気サイトの噂や赤ちゃんが病気になったというTVのニュースがメラミン汚染乳児用ミルクスキャンダルを示唆していたにも関わらず注意しなかった。クライストチャーチの政策科学研究者はFonterraが中国の政治やビジネスの環境を理解しないまま中国最大の乳業会社三鹿の株式を43%、2005年後半に米ドルで1億700万ドルで購入したと述べている。FonterraのスポークスマンはCEOであるAndrew Ferrierの2008年8月2日まで三鹿の製品に問題があることは知らなかったという声明を繰り返している。
三鹿は2008年3月には保護者からの苦情を受け取っており、6月には保健当局から指摘を受けて7月には自社で試験を行っている。しかしFerrierは三鹿の7人の重役のうちFonterraの3人は8月2日まで知らなかったと言っている。
しかしながらカンタベリーの中国政策専門家のAnne-Marie Bradyは、Fonterraのような巨大企業が、三鹿の問題を他の経路で調査しなかったのは驚くべきことだと述べている。共産主義政府による厳重なメディアコントロールにも関わらず、インターネットや小売店から重要な情報が流れている。
2008年7月には湖南テレビが乳児の腎障害流行について放送している。検閲を逃れるため三鹿は名指ししなかったが、三鹿のパッケージを背景に使うことで関連を示唆している。現在22の中国乳業会社がスキャンダルに関与している。例えFonterraの社員が中国語を話せないとしても、中国でそのような情報を集めることはできる。

[3] 事件の時系列
Associated Pressより
2007年12月 
三鹿集団は乳児用ミルクで赤ちゃんが病気になったとの苦情を報告された。
2008年6月
三鹿は製品にメラミン汚染があることを知った。(とCCTVが言っている)
2008年6月30日
中国の品質保証監視機関が湖南省で三鹿のミルクを飲んでいた5人の乳児が腎臓結石で入院しているとの報告を受け取った。(質検総局のウェブサイトによる、その後削除されている)
2008年7月24日
小児科医が質検総局に三鹿のミルクを飲んでいた乳児の腎臓結石9症例を診察したと報告。この名前のわからない医師は粉ミルクに問題があるとの懸念を表明していた。(質検総局のウェブサイトによる、その後削除されている)
2008年8月2日
三鹿が石家荘の地方当局に粉ミルクの汚染を伝える。この時Fonterraの役員が問題を知り、直ちにリコールするよう強く薦めた。
2008年8月6日
三鹿は販売業者から粉ミルクを回収したが一般へのリコールは行わなかった。
2008年8月8日
2008年8月24日まで北京オリンピックが行われた
2008年9月5日
Fonterraがニュージーランドの首相Helen Clarkにこの問題を伝えた。3日後にClarkはニュージーランドの事務官に中国当局に伝えるよう命令した。
2008年9月9日
石家荘の当局が河北省の地方当局に情報を伝えた。1日後に河北省が中央政府と連絡を取った。
2008年9月11日
三鹿が乳児用ミルク700トンのリコールを発表した。政府は責任者を厳しく罰すると発表した。新華社が何十人もの赤ちゃんが腎臓結石になり1人が死亡していると報道した。
2008年9月13日
保健副大臣Gao Qiangが三鹿のミルクを飲んでいた432人の赤ちゃんが腎臓結石になったと述べた。Gaoは報告が遅れたことで三鹿を非難し、全ての乳児用ミルクの国による検査を発表した。河北省の副知事は河北省が三鹿製品2176トンを押収し8218トンを回収していると述べた。
2008年9月15日
病気の子どもの数が1200人以上、死者が2人になった。質検総局は汚染が主に農場での生乳レベルでおこったと述べた。三鹿の副社長は謝罪したが情報伝達の遅れについては説明しなかった。
2008年9月16日
109の中国の乳児用ミルク製造業者のうち22社の製品からメラミンが検出された。三鹿の総支配人Tian Wenhuaが解雇されたと地元メディアが報道した。
2008年9月17日
中国の2つの大乳業蒙牛と伊利が乳児用ミルクをリコール。保健大臣は3人死亡、6200人以上が病気になったと発表。
2008年9月18日
当局がさらに12人を逮捕し合計18人になった。警察は疑われる化合物660ポンドを押収。
2008年9月19日
中国のトップ乳業3社の液体ミルクにメラミンが検出されて危機が拡大。
2008年9月21日
保健大臣は腎臓結石の子どもは約53000人、入院12892人、重体104人と報告。中
国領土である香港で中国産乳製品を飲んだ3才の子どもが腎臓結石になったと報告された。
2008年9月22日
質検総局の局長が辞任。
[4] ニュース更新
Radio New Zealandより
約53000人がメラミン汚染ミルクを飲んで病気になったと中国の保健大臣が認めた。ほとんどは治療して退院したが入院中が約13000人でそのうち104人が重症である。4人が死亡している。