食品安全情報blog過去記事

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前立腺がん予防研究のレビューによりセレンとビタミンEサプリメントの使用には利益がないことがわかった

NCI
Review of Prostate Cancer Prevention Study Shows No Benefit for Use of Selenium and Vitamin E Supplements
http://www.cancer.gov/newscenter/pressreleases/SELECTresults2008
NCIなどが出資したセレンとビタミンEによるがん予防試験(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial (SELECT))のデータを独立した科学者がレビューしたところ、セレンとビタミンEサプリメントは単独でも同時でも前立腺がんを予防しないことが示された。さらに懸念される2つの傾向として、50才以上のビタミンEのみを摂っている男性で前立腺がんの数が少ないながら有意に増加していること、セレンのみを摂っている男性の成人糖尿病発症が統計学的有意差はないが僅かに増加している。これは初期解析であるためこれらの知見がサプリメントによるリスク増加を証明するものではなく、偶然である可能性もある。
SELECTは国際研究機関ネットワークが米国とプエルトリコとカナダの400以上の病院の協力を得て行っている試験である。2001年に開始され35000人以上が参加している。参加者にはレビューの内容を説明する手紙を送り、サプリメントの摂取を中止するよう要請している。参加者や医師は摂っているサプリメントが何なのかは知らないが、希望があれば教えてもらえる。