食品安全情報blog過去記事

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ビスフェノールA小委員会報告書の発表に関するFDAの声明

FDA Statement on Release of Bisphenol A (BPA) Subcommittee Report
October 28, 2008
http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2008/NEW01908.html
我々は、FDAの食品と接触する物質へのBPA使用に関する安全性評価案の科学的ピアレビューを長時間にわたり勤勉に行った小委員会を称賛する。FDAはこの複雑な問題に追加の知見を取り入れるためにピアレビューを要請した。この一流の科学者集団は彼らの知識と経験をこの仕事に捧げてくれた。
小委員会は科学委員会に安全性評価案についていくつかの重要な疑問点を報告し、FDAは10月31日の科学委員会による小委員会の報告書のレビューを期待して待っている。
FDAビスフェノールAの低用量暴露影響に関するいくつかの試験による不確実性のために追加の研究が役立つだろうことには同意する。FDAはすでにビスフェノールAの低用量影響についての研究計画を検討しており、これらの研究結果を注意深く評価するであろう。
消費者は、入手できる全ての根拠から、現時点での米国・カナダ・ヨーロッパ・日本の規制機関の共通認識は、食品包装容器からのBPA暴露は乳幼児を含む一般人に差し迫った健康リスクはないということを知るべきである。
カナダに関しては、ヘルスカナダの18ヶ月までの乳幼児に対するビスフェノールA評価では暴露量は健康影響がある可能性がある濃度より低いと結論していることをFDAは指摘する。念には念を入れて、カナダ政府はBPAの使用を制限する方向に踏み出したのである。
自分の赤ちゃんに哺乳瓶でミルクを与えていて予防的に代替品を使いたいと思う保護者は、ガラスや他のポリカーボネート代替製品を使うこともできるし、ポリカーボネートの哺乳瓶でミルクを温めるのを止めたり、(液体ミルクをやめて)粉ミルクに代えることを赤ちゃんの主治医と相談することもできる。
小委員会の報告書のコピーは以下から入手できる(以下のリンク)
公衆衛生局長官代理 海軍准将Steven K. Galson, M.D., M.P.Hによる声明
「保護者が赤ちゃんのためにできる最も重要なことは、適切な栄養確保である。赤ちゃんにとって最良の栄養源は母乳であるが、母乳が与えられないときは乳児用ミルクが代替品として推奨され続ける」
10月31日の科学委員会の資料については以下
Science Board to the Food and Drug Administration Briefing Information
October 31, 2008
http://www.fda.gov/oc/advisory/scienceboard/meeting103108.html
小委員会の報告書では、暴露評価に用いた乳児用ミルクの検体数が少なく不確実性が高いこと、GLP準拠でない試験を除外することに合意できないことなどを指摘している。