食品安全情報blog過去記事

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妊娠女性にカフェイン摂取を制限するよう助言

Pregnant women advised to limit caffeine consumption
Monday 3 November 2008
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2008/nov/caffeinenov08
FSAは妊娠中のカフェイン摂取について新しい助言を発表した。これはFSAの出資した新しい研究の結果に基づくものである。
妊娠中の女性にはカフェインの摂取量を1日200 mg−おおまかにコーヒー2杯−までに制限するよう助言する。カフェインの摂りすぎは赤ちゃんの出生時体重を減らし、その結果その後の人生における各種健康リスクが増加する。さらにカフェインの摂りすぎは自然流産を誘発する可能性があることを示唆する幾分かの根拠がある。カフェインはコーヒーや紅茶やチョコレートやある種のソフトドリンクや医薬品に含まれる。
FSAはこれまで1日の最大摂取量を300 mgにするよう助言してきた。しかしながら本日BMJに発表された新しい研究では200 mgに制限することでさらにリスクが減らせるだろうことを示唆している。
これまでの助言に従って1日のカフェイン摂取量を300 mg以下にしていた妊娠女性は心配する必要はない。このリスクは非常に小さいだけでなく、平均摂取量は既に200 mg以下であるため多くの妊婦にはこの助言の変更による影響はないであろう。現在200 mg以上摂っている人はこれから減らせば良い。


FSAの助言の完全版
Food Standards Agency publishes new caffeine advice for pregnant women
http://www.food.gov.uk/news/pressreleases/2008/nov/caffeineadvice
あなたは毎日摂るカフェインの量を制限すべきであるが、完全に排除する必要はない。
カフェインは天然にコーヒーやお茶、チョコレートなどの多くの食品に含まれ、一部のソフトドリンクやエネルギードリンクに加えられている。
大切なのは摂りすぎないことである。なぜならばカフェインの摂りすぎは赤ちゃんの体重を減らし、その結果赤ちゃんが大きくなってからのある種の健康状態のリスクが増加する。さらにカフェインの摂りすぎは流産の原因となる可能性がある。一日あたり200 mg以下にするのが最良であろう。
食品や飲料のカフェイン含量は様々であるが、参考までに約200 mg又はそれ以下のカフェインを含むのは
・ インスタントコーヒーカップ2杯(各100 mg)
・ フィルターコーヒーカップ1杯(140 mg)
・ 紅茶2カップ(各75 mg)
・ コーラ5缶(最大各40 mg)
・ エネルギードリンク2缶(最大各80 mg)
・ 50gのプレーンチョコレートバー4本(最大各50 mg)。ミルクチョコレートはその約半分。
従ってもしあなたがプレーンチョコレートバー1つとフィルターコーヒー1杯、又は紅茶2杯とコーラ1缶を摂るなら約200 mgになる。しかしリスクは非常に小さいので、たまにそれより少し多く摂ったからといって心配しすぎる必要はない。
もしあなたが妊娠中で、既に1日300 mg以下にするようにとの先の助言に従っていたなら、リスクは非常に小さい。これから先の妊娠期間は200 mg以下にするように。カフェインは風邪薬などにも含まれるのでそれらを使用する前に医師や専門家に相談するように。


COTの声明
STATEMENT ON THE REPRODUCTIVE EFFECTS OF CAFFEINE
http://cot.food.gov.uk/pdfs/cotstatementcaffeine200804.pdf


BMJの論文
妊娠中の母親のカフェイン摂取と胎児の成長抑制リスク:大規模前向き観察研究
Maternal caffeine intake during pregnancy and risk of fetal growth restriction: a large prospective observational study
http://www.bmj.com/cgi/content/full/337/nov03_2/a2332
オープンアクセス