食品安全情報blog過去記事

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妊娠中の飲酒リスク

Behind the headlines
Pregnant drinking risks
Wednesday January 21 2009
http://www.nhs.uk/news/2009/01January/Pages/Drinkpregnancyrisk.aspx
The Independentが「妊娠の最初の3ヶ月に大量飲酒をした女性は今さらやめてももう遅い」と主張している。新聞によれば妊娠中の飲酒の悪影響は最初の3ヶ月におこり、そこでやめても取り返しがつかない。Daily Mailによれば妊娠初期に飲酒すると2.3倍早産になりやすい。
これらのニュースは4700人の新しくお母さんになった人に妊娠中の飲酒について質問し、早産と低体重との関係を調べた研究に基づく。この研究では飲酒が早産リスクを上げることが示唆されているがいくつかの限界がある。上述の2.3倍のリスク増加を含めて、ほとんどの結果には有意差はない。さらに喫煙やその他の妊娠に関わるリスク要因を加味すると関連はさらに弱くなる。
妊娠中の女性はメディアが報道しているような、飲酒量を減らすのは遅すぎるなどと考えてはいけない。そうではなくて、これまでどれだけ飲んでいたかにかかわらず、NICEによる妊娠中の飲酒に関する助言に従うように。NICEは妊娠初期に飲酒しないように薦めているが、さらに妊娠中は1-2週間に1-2単位以上は飲まないこと、大量飲酒は避けるべきことを助言している。