食品安全情報blog過去記事

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EFSAは一部のエネルギードリンクによく使われる2つの成分についての意見を採択した

プレスリリース
EFSA adopts opinion on two ingredients commonly used in some energy drinks
12 February 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902328128.htm
EFSAのANSパネルは、定期的エネルギードリンクの摂取によるタウリンとd-グルクロノラクトン暴露には安全上の懸念はないと結論した。
この評価は2003年にSCFが行ったリスク評価に続くもので、ANSパネルは最近入手できるようになったデータから、SCFが提起していた未解決の懸念は払拭されたとしている。また暴露量データは2003年のSCFに報告されたものなので、最近の青少年や若者の摂取量データの収集が必要かもしれないとも結論している。
タウリンとd-グルクロノラクトンは天然に食品中や正常ヒト代謝物に含まれるものであるが、エネルギードリンクに高用量使われる。新しいデータではいずれの物質もNOAELは1000 mg/kg体重であることが確認された。
毎日125 mL(0.5缶)及び350 mL(1.4缶)エネルギードリンクを飲む場合の安全性マージンは十分である。
この意見でANSパネルは、若い人がエネルギードリンクを大量に(例えばある症例では1420mL)、あるいは運動やアルコールと同時に摂取した場合の死亡を含む急性の健康影響についても注記している。アルコールや薬物と同時に飲んだ場合に報告されている症例は解釈が困難である。最近のいくつかの報告に関して、それらがカフェインの摂りすぎによるよく知られた副作用である可能性もあり、タウリンとの因果関係推測には科学的根拠がない。
ヒトでの新しいデータから、タウリンとカフェインの利尿作用の累積効果はありそうにないと考えた。またd-グルクロノラクトンがカフェインやタウリンやアルコールや運動と相互作用することもありそうにない。

  • いわゆる「エネルギードリンク」の成分としてのタウリンとD-グルクロノガンマラクトンの使用

The use of taurine and D-glucurono-gamma-lactone as constituents of the so-called“energy” drinks
12 February 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902327742.htm
欧州委員会からの要請によりANSパネルはいわゆる「エネルギードリンク」の成分としてのタウリンとD-グルクロノガンマラクトンの使用の安全性について評価を依頼された。
エネルギードリンクそのものの評価ではない。
SCFが2003年の評価の際に使用した摂取量データ、平均的摂取者で毎日125mL(0.5缶)、高摂取者で350 mL(1.4缶)を用い、タウリン4000mg/L、D-グルクロノガンマラクトン2400 mg/Lで計算すると1日あたりのタウリン摂取量は平均500 mg(体重60 kgだと8.3 mg/kg体重/日)、D-グルクロノガンマラクトンは300 mg(体重60 kgだと5.0 mg/kg体重/日)となる。95パーセンタイル暴露ではタウリン摂取量は平均1400 mg(体重60 kgだと23.3 mg/kg体重/日)、D-グルクロノガンマラクトンは840 mg(体重60 kgだと14 mg/kg体重/日)となる。これらの量は食事全体からのタウリンやD-グルクロノガンマラクトンの推定摂取量(それぞれ400 mg/日及び1-2 mg/日)より多い。
2003年のSCFの意見や最近のBfRの意見では数多くの死亡を含む急性有害影響の説話的症例報告に言及している。これらはカフェインの副作用である可能性があり、タウリンとの関連に科学的根拠はない。
タウリンのNOAELは推定暴露量95パーセンタイルの43-120倍であり安全性マージンは充分あると結論した。D-グルクロノガンマラクトンのNOAELは1000 mg/kg体重/日で推定暴露量の71-200倍であり安全上の懸念とはならない。