食品安全情報blog過去記事

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書評:自閉症についての虚偽の預言

NEJM  Volume 360:1159-1160
Autism's False Prophets: Bad Science, Risky Medicine, and the Search for a Cure
Kathryn M. Edwards, M.D.
Kayvon Modjarrad, M.D., Ph.D
http://content.nejm.org/cgi/content/full/360/11/1159
昨年出版されたPaul A. Offitの本の書評
http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0231146361/quackwatch-20
この本の中では相関関係と因果関係と科学的方法について特に強調している。
そして科学を一般に伝えることの困難さについて記す。メディアは医学研究についての議論を科学者と有名人を同じように扱って報道する。人間は何かが起こると理由を捜すようにできているので、偶然の一致と因果関係の違いについては説明が難しい。科学者は広報ゲームにおいては常に負けており、政治家やジャーナリストは医師や製薬会社を攻撃することで勝利を得られる。人々はインターネットやメディアに溢れる情報のどれが信頼できてどれが信頼できないのか区別できないままである。そして著者が最も激しい批判を向けているのは必死の思いで自閉症の子どもの治療法を捜している保護者に、インチキで効果が無く高額な治療を行っている医師たちに対してである。
混合診療なので区別が難しい。)