食品安全情報blog過去記事

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科学者がアジアの砒素中毒危機のパズルを解く

Scientists solve puzzle of arsenic-poisoning crisis in Asia
March 24, 2009
http://news.stanford.edu/news/2009/april1/fendorf-arsenic-water-poison-asia-040109.html
WHOによれば南アジアの1億4000万人がヒ素汚染のある地下水を飲み、バングラデシュカンボジア・インド・ミャンマーベトナムの数千人がヒ素の慢性暴露によるがんで死亡している。これは歴史上最大の集団中毒とも言われる。
15年以上前に科学者は天然に高濃度のヒ素を含むヒマラヤ山脈の汚染源を同定し、それが下流の河川流域を汚染していることを明らかにしている。しかし謎はまだあり、ヒ素は河川堆積物として残留しているにもかかわらず、地表から100フィート下の地下水にも存在する。
現地での野外調査の結果、ヒマラヤ山脈から運ばれた堆積物のヒ素が水に溶けて帯水層に移行すること、帯水層が井戸により飲料水として使われること、土壌中のヒ素を溶かすのは堆積物中に住む細菌であることを見いだした。
飲料水のヒ素対策は地域ごとに行わなければならない。
(こういう地域があっても地産地消とか言うのかな。地域の土壌や地下水の天然汚染物質を把握してリスク評価をしたうえで地産地消とか言ってる人たちはいるのだろうか)