食品安全情報blog過去記事

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EFSAは燻製香料に関する最初の4つの意見を発表した

EFSA publishes first four opinions on smoke flavourings
6 April 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902432845.htm
EFSAは燻製風味を与えるために添加される香料についての一連の意見のうちの最初のものを発表した。CEFパネルはSmoke Concentrate 809045については安全上の懸念はないと結論したがUnismoke とZesti Smoke Code 10については安全上の懸念を表明した。これらの知見はEUで使用されている全ての燻製香料からの暴露推定に基づく。
Unismoke とZesti Smoke Code 10は推定暴露量と摂取量の間に十分なマージンがないと結論した。一方Smoke Concentrate 809045については十分であるとした。いずれの場合もCEFパネルは遺伝毒性については懸念を排除するに十分な研究があるとした。

  • 燻製香料一次産品の食事からの暴露量評価方法

Dietary exposure assessment methods for smoke flavouring Primary Products[1]
6 April 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902429516.htm
燻製香料への食事暴露を評価するための標準方は存在しない。CEFはそこで既存の香料暴露評価に用いられている3つの方法について評価した。Maximised Survey-derived Daily Intake (MSDI)、Single Portion Exposure Technique(SPET)及びTheoretical Added Maximum Daily Intake及びその変形バージョン(TAMDI/mTAMDI)である。さらに燻製香料のために二つの方法を開発した。燻製香料理論的追加最大1日摂取量Smoke Flavouring Theoretical Added Maximum Daily Intake (SMK-TAMDI)及び燻製香料EPICモデルSmoke Flavouring EPIC model (SMK-EPIC)である。

  • 燻製香料一次産品の安全性 Zesti Smoke Code 10

Safety of smoke flavour Primary Product - Zesti Smoke Code 10 [1]
6 April 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902433675.htm
Zesti Smoke Code 10はヒッコリーとオークのおがくずを乾燥させたものを加熱して生じた煙を濃縮し、すの水性部分を分離したものである。いくつかのロットで毒性試験を行っている。EFSAのガイドラインに掲載された多環芳香族炭化水素濃度は提供されていて一部でのみ1 microg/kgを超えるのみである。通常の使用方法ではZesti Smoke Code 10の食品中濃度は1-2g/kg食品で、一次産品の食事からの暴露量は30 mg/kg体重/日となる。
Zesti Smoke Code 10はin vitroでは遺伝毒性があるがin vivo遺伝毒性試験では陰性で遺伝毒性の懸念を排除するには十分である。NOAELは2.5g/kg食品で、 NOAELと推定暴露量の安全性マージンは5-32である。長期試験データがないことなどを考慮し、この安全性マージンは不十分であると結論した。

  • 燻製香料一次産品の安全性 Smoke Concentrate 809045

Safety of smoke flavour Primary Product - Smoke Concentrate 809045
6 April 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902433705.htm
Smoke Concentrate 809045は一定条件下で木材をくすぶらせて煙を濃縮し、液層を分離して活性炭処理し蒸留・ろ過したものである。多環芳香族炭化水素濃度は規制に従っている。in vitroでは遺伝毒性があるがin vivo遺伝毒性試験では陰性である。食事からの暴露量とNOAEL 1000mg/kg体重/日の安全性マージンは最低でも2000あり、安全上の懸念はない。

  • 燻製香料一次産品の安全性 Unismoke

Safety of smoke flavour Primary Product Unismoke
6 April 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902433663.htm
Unismokeはオークとブナの木材を熱分解してその蒸気を洗浄・濃縮しタールと分離したものである。PAH含量は規制値以下である。in vitroでは遺伝毒性があるがin vivo遺伝毒性試験では陰性である。NOAELは300 mg/kg体重/日で暴露量との安全性マージンは14-45である。長期試験データがないことなどを考慮し、この安全性マージンは不十分であると結論した。