食品安全情報blog過去記事

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ボトル入り水の安全性

It’s Your Health
The Safety of Bottled Water
2009-04-14
http://www.hc-sc.gc.ca/hl-vs/iyh-vsv/food-aliment/bottled-embouteillee-eng.php
近年カナダ人のボトル入り水の消費量は増加している。水は有害微生物や化学物質を含まないよう処理され殺菌されモニターされているのでボトル入り水による病気は極めて希である。しかしながらボトル入り水の安全性を維持するためにはあなたは適切に取り扱いと貯蔵しなければならない。
背景
ボトル入り水はガラスやプラスチックの密封容器に入れられて販売されている水である。カナダでは食品と見なされ食品医薬品法により規制されている。法ではカナダで販売されるボトル入り水は飲んでも安全でなければならず、企業には品質基準やGMPや表示の基準に従うことが求められている。
「ミネラル」又は「わき水」と表示されているボトル入り水は地下由来の飲用水である。それらは公共水道由来ではならない。他の種類のボトル入り水は水道水や井戸水などの公共水道由来でも良い。原料が何であれ全てのボトル入り水は安全性と品質基準を満たさなければならない。
ボトル入り水の利点
ボトル入り水の利益は個人の嗜好による。人によっては持ち運びに便利だから、あるいは緊急時用の貯蔵に便利だからとボトル入り水を選ぶ。(緊急時用の備えとして最低1人1日2Lで3日分の飲料水を備蓄することを薦めている。)他に味が好きという理由もある。一部の人は水道水よりボトル入り水のほうが安全だと考えているがそのような根拠はない。カナダでは水道水とボトル入り水の品質基準は同じである。
ボトル入り水のリスク
カナダで販売されているボトル入り水は一般的に安全で健康上のハザードとはならないと考えられている。これまでカナダではボトル入り水による疾患のアウトブレイクは報告されていない。
ヘルスカナダはインターネットでプラスチックボトル入りの水を夏の暑さに曝すと有害な化学物質が溶け出す懸念があるという各種報告について承知している。しかしながらそのような懸念を支持する科学的根拠はない。プラスチックボトル入りの水で行った実験では、極めて高い温度でさえ、飲んだ人の健康にリスクとなるような濃度の化学物質を検出しなかった。
さらにボトル入り水を冷凍し解凍した場合に見られる小さな白い粒子が心配だという人もいる。これらの粒子は激しい温度変化により水の中から沈殿したミネラルでヒト健康に害はない。
しかしながら取り扱いや貯蔵が適切ではないとボトル入り水の安全性は損なわれる。例えばボトルを開けて人の手や口が水に接触すると細菌汚染がおこる。これらの細菌は増殖が早い。

リスクを最小化するために
購入の際
・ シールが壊れていたり異物混入の疑いがあるものは避ける
・ 賞味期限を確認する
取り扱い
・ ボトルはシェアしない(複数の人で直接口をつけて飲まない)
・ 一旦開封したら冷蔵庫に保存
・ 衛生状態は良好に保つ。手を洗う。
・ 一回限りの使用用ボトルは再利用しない。
貯蔵(未開封
・ 冷蔵がベストだが不可能な場合は冷暗所に保管。家庭用のクリーナーやペンキ溶剤などからは遠ざける。時間が経つと溶剤は蒸発してプラスチックボトルを通過して水に入るからである。
・ 緊急時用に大量に備蓄する場合には期限を越えないようローテーションする