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グルコサミンに関するCOTの声明

COT statement on glucosamine
Thursday 7 May 2009
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2009/may/cotstatementonglucosamine
毒性に関する委員会(COT)が一般的な食品サプリメントであるグルコサミンに肝炎誘発の可能性があるかどうかについての見解を発表した。
これはいくつかの症例報告があったためで、COTはグルコサミンが肝臓を傷害するというデータはないと結論している。グルコサミンは天然に人体に存在し、 それが肝障害を引き起こすもっともらしいメカニズムがない。
FSAは現在の根拠はグルコサミンは肝炎を誘発することを示唆していないと考えている。
COTの声明
http://cot.food.gov.uk/pdfs/cotstatementgluco200901.pdf
結論部分のみ
グルコサミン又はグルコサミンプラスコンドロイチンサプリメントは一部の人々に広く使用されているが意味のある有害影響があるという明確な根拠はない。グルコサミンの使用と肝炎についての少数の症例報告があり、多くの場合サプリメントの使用を止めると改善している。しかしながら肝炎は特異的ではなく、グルコサミンの使用に関連した肝炎症例の全てのケースで他の同定されていない暴露が関与している可能性がある。
ヒトボランティアでのグルコサミンとコンドロイチンの多数の試験や動物での限られた毒性試験データはグルコサミンに何らかの肝毒性があることを示唆していない。グルコサミンは天然に人体に存在しそれが肝毒性を誘発するというメカニズムはない。
現在の根拠は、因果関係を完全に否定することはできないものの、グルコサミンが肝炎の原因であるということを示唆していない。グルコサミン使用者が有害事象を経験する可能性は極めて少ないだろう。
現時点では、グルコサミンにより肝炎が誘発されるとしてもそれは特異体質によるもののようなので、さらなる研究で不確実性が解決することはなさそうである。