食品安全情報blog過去記事

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携帯電話と携帯電話の電波塔の安全性

It's Your Health
Safety of Cell Phones and Cell Phone Towers
2009-04-28
http://www.hc-sc.gc.ca/hl-vs/iyh-vsv/prod/cell-eng.php
携帯電話が一般的になるにつれてその発する電磁波の安全性についての疑問が投げかけられるようになった。一般の人の中には携帯電話の中継塔近傍に住むことによる健康影響を心配する人もいる。
背景
携帯電話は固定された低出力の基地からの無線信号を伝達する持ち運び可能な装置である。基地は通常屋根の上や塔などにある。携帯電話の出力は種類と基地からの距離により異なる。カナダの携帯電話の使用者数は1987年の10万人から2008年初頭の2000万人に増加した。需要に応じ携帯電話の電波塔は全国に設置されている。携帯電話の使用が増えるにつれて、メディアやウェブサイトでの携帯電話の使用や基地近くに住むことによる脳腫瘍などのある種の病気との関連を示唆する警報も見られるようになった。その結果一部の人は無線周波数(RF)エネルギーへの長期暴露による健康影響について心配している。
携帯電話や電波塔から出るRF電磁エネルギーは非イオン化放射線の一種で、 AM/FMラジオやテレビで使われているエネルギーと類似のものである。X線装置などから出るイオン化放射線とは違って携帯電話やその他の無線装置から出るRFエネルギーは化学結合を切断することはない。つまりそれは遺伝子に傷をつけることはない。
携帯電話と基地による健康リスク
携帯電話や電波塔から出るRF電磁エネルギーは体内に侵入することができる。侵入の深さや吸収されるエネルギー量は携帯電話の位置や信号の強度など多くの要因に依存する。これまでのところ動物実験やヒトでの研究では携帯電話や電波塔から出るエネルギーは重大な健康影響を引き起こすほど強いという説得力のある証拠はない。一部の科学者は携帯電話の使用により脳の活動や反応時間や睡眠導入時間に変化を誘発すると報告しているが、これらの知見は確認されていない。
携帯電話は通話と接続に必要な最小限の出力で作動するよう設計されており、 その結果携帯電話や電波塔から出るRF電磁エネルギーは健康上の懸念となる量より十分低い。さらにカナダの携帯電話や電波塔はその出力に関する規制に合致しなければならない。
携帯電話から出るRFエネルギーに確実な健康リスクはないが、携帯電話の使用がリスクがないわけではない。以下のことが示されている:
・ 携帯電話や無線装置の使用は運転中・歩行中・自転車に乗っているとき・及びその他の活動中に注意をそらすため重大な怪我のリスクが高くなる。
・ 心臓ペースメーカーや除細動装置や補聴器などの医療機器と相互作用する可能性がある。
・ 航空機の通信やナビゲーションシステムなどの感受性の高い電子装置に干渉する可能性がある。
リスクを最小化するために
これまで携帯電話や基地からのRFエネルギーによる成人や子どもの健康への悪影響については説得力のある科学的根拠はない。しかしながらもし心配なのであれば携帯電話の使用を減らしたりハンドフリー装置を使って身体からの距離を大きくするなどしてRF暴露を減らすことができる。子どもの健康が心配であれば子どもには使用制限をするなどしてさらなる予防的措置を執ることができる。