食品安全情報blog過去記事

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抗酸化物質はヒトにおける運動による健康増進影響を阻害する

Antioxidants prevent health-promoting effects of physical exercise in humans
Michael Ristowa et al.
運動は長生きや2型糖尿病インスリン抵抗性改善に役立つが、同時にミトコンドリアによる有害とみなされている活性酸素の発生も増加させる。そこで抗酸化サプリメントの運動への影響を検討した。ボランティアの若い男性に4週間の運動介入とビタミンC(1日1000mg)とビタミンE(1日400 IU)の組み合わせを摂ったときのグルコース注入率(GIR)で測定したインスリン抵抗性への影響を調べた。トレーニング歴のある20人でもトレーニング経験のない19人でも運動によるインスリン抵抗性パラメータの改善が見られたのは抗酸化サプリメントを摂らない場合のみであった。
オープンアクセス
http://www.pnas.org/content/early/2009/05/11/0903485106.full.pdf+html


BBCなどが取り上げている
ビタミンが運動の努力を取り消す
Vitamins 'undo exercise efforts'
Monday, 11 May
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8043456.stm
抗酸化ビタミンが身体の酸化的ストレスから組織を守るという説が一般に流布しているが実際にはフリーラジカルには良い影響もあって、その効果が抗酸化サプリメントで阻害されてしまう。
健康的でバランスの取れた食生活で必要なビタミン類は摂れるので、サプリメントで過剰に摂るのはかえって有害である可能性があり、薦められない。