食品安全情報blog過去記事

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植物はチェルノブイリでどのように生き残ったか

Science NOWより
How Plants Survived Chernobyl
By Stephanie Pappas
15 May 2009
http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2009/515/2?etoc
あなたは世界最悪の核災害がおこった場所が不毛の荒れ地になるだろうと予想したかもしれない。しかしウクライナチェルノブイリ原子力発電所の周辺は樹木や低木や蔓植物に覆われている。研究者は慢性的な放射線照射下で植物がどうやって生き残ったのかを説明できるかもしれない変化をチェルノブイリ近くで育った大豆の蛋白質変化を発見した。この知見はいつか放射線耐性作物を作るのに役立つかもしれない。
1986年4月、チェルノブイリ原子力発電所が爆発し放射性物質をまき散らした。一部の核種はセシウム137などのように半減期が長く、今日まで存続している。施設の半径30キロメートル領域は立ち入り禁止になっているが生活している人もいる。この大きな災害にも関わらず、植物は繁栄している。
スロバキア科学アカデミーの植物生物学者Martin HajduchがJournal of Proteome Researchの6月号に発表した研究によれば、発電所の5km地点と100km地点の、セシウム137レベルが163倍違う場所に植えた大豆の蛋白質を解析したところ、高放射線地域の大豆のシステインシンターゼが3倍、ベタインアルデヒドヒドロゲナーゼが32%増するなどの変化が見られた。