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栄養目的で食品サプリメントに添加されるピコリン酸クロム、ピコリン酸亜鉛及びピコリン酸亜鉛二水和物

Chromium picolinate, zinc picolinate and zinc picolinate dihydrate added for nutritional purposes in food supplements
22 June 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902603290.htm
ピコリン酸クロムからのクロム及びピコリン酸亜鉛からの亜鉛の生物学的利用度とこれらの安全性についての意見。クロム及び亜鉛そのものについては評価しない。
これらの塩からの亜鉛及びクロムは生物学的に利用可能である。ピコリン酸亜鉛についての毒性データは限られるためピコリン酸クロム及びピコリン酸の毒性データをもとに評価した。
ピコリン酸クロム(一水和物)の13週毒性試験におけるNOAELは4240 mg/kg体重/日で、これはピコリン酸3616 mg/kg体重/日に相当する。生殖発生毒性はピコリン酸クロム200 mg/kg体重/日までみられない。
発がん性試験では雄のラットで包皮腺がん頻度の増加がみられるが、このがんはこの系統のラットでよく見られ、用量相関性がないことからNOAEL ピコリン酸2100 mg/kg体重/日が設定できる。入手できるデータからはピコリン酸の遺伝毒性についての最終結論は出せない。
暴露評価によれば食品と提案されているピコリン酸亜鉛からの亜鉛摂取量の成人と子どもの97.5パーセンタイルで上限を超過する。また提案されているクロムの最大摂取量は600microg/日で、ピコリン酸摂取量としては問題はないがWHOはクロムの添加は250 microg/日を超えるべきではないとしている。
さらに最近のクロム(III)の遺伝毒性に関するレビューでは矛盾した結論が出されているため、安全性についての再評価が必要であることを注記する。