食品安全情報blog過去記事

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アルカロイドと中毒の点を結ぶ

ARS
Connecting the Dots for Alkaloids, Toxicosis Symptoms June 29, 2009 http://www.ars.usda.gov/is/pr/2009/090629.htm
放牧されている動物に影響して米国の畜産に毎年6億ドルの損害を与えていると推定されるフェスク中毒についてARSの科学者たちが解明した。
フェスク中毒は、牧草用のフェスク(ヒロハノウシノケグサ)が内生真菌に感染していると発症する。この病気は歩行困難や生産効率の低下を引き起こし、 動物のストレスが大きい場合には時に死亡する。この中毒は麦角アルカロイドによると考えられているが、どのようにして臨床症状を誘発するのかについてはあまりわかっていなかった。ARSのJames Klotzらはフェスクアルカロイドによる反芻動物の生理的応答を調べている。
麦角アルカロイド三種(エルゴバリン、N-アセチルロリン、リゼルグ酸)のうち、ウシの脚の血管収縮作用が最も強かったのはエルゴバリンであった。またエルゴバリンはin vitroで生体濃縮され、中毒の原因となっている可能性が示唆された。これらの研究はJournal of Animal Scienceに発表されている。